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やっと見つけた俺の居場所?

[348]  ひろあき  2009-04-02投稿
【残された時間〜遺言】

16日間の入院生活を終えて帰宅した俺を待っていたのは 病人のいる家庭とは程遠い生活環境だった

ろくに学校に行ってないガキは すっかり昼夜逆転の生活スタイルが身についてしまい パソコンに興味を持ち出したから 連日夜遅くまで俺の部屋に居座りしパソコンいじりをしていた

ガキがそばにいるもんだからまりもにメールできなくなってしまったが まりもは理解してくれた

それだけでも ストレスがたまるのに ガキが「〇〇してくれたら学校に行ってあげる」だの「〇〇に連れてってくれたら学校に行ってあげる」等の無茶苦茶な交換条件を出して来たし
嫁をそれを容認した

もう我慢出来ない…
限界だ…

俺は時間の許す限りまりもと会った

激しい行為は出来なくなってしまったが 二人きりになれる場所に何回も足を運んだ

二人でおしゃべりしたり
二人でテレビ見たり
二人でご飯を食べたり
二人でお昼寝したり

何度もそんな形のでーとを続けていたが、秋風が吹く昼下がり…「なんだか夫婦になったみたいだね」と微笑むまりもを見て 俺は思わず口に出してしまったんだ

「俺とまりもの子供の顔
見たかったなあ」って…

「きっと 丸い顔でポチャポチャした子供だね…」と言いながらまりもの目からは涙が溢れていた

俺の目からも涙が溢れて止まらなかった

俺は まりもを抱きしめながら叫んでいた

「まりも これからぱぱは変わるから 昔の優しいぱぱに変わるからぱぱと仲良くして!」

「俺が死んでも 他の男のとこに行くなよ!俺はずっと見てるんだから絶対に行くなよ!」

それから5日後だった

俺の全てが終わってしまったのは

俺達 心底愛し合ってたのに夫婦になれなかった

愛する女性との間に産まれた子供の顔を見たかった

それよりも 何よりも
最愛の女性に最後のお別れをさせて欲しかった

それから4ヶ月間
俺の魂はさまよい続けた

居場所を求めて 暗闇の中をさまよい続けた

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