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メルヘンとロマンチスト

[339]  東雲  2009-04-04投稿
第二話 「メルヘンな主人公」



俺は天使の言うホームレスがリンチに合うという公園に来ていた。まだ別にそのホームレスを助けようとは思ってない。天使のいたずらかもしれない。しかし数分後に本当に起きた。想像通りの格好した若者達がホームレスを囲み暴力を振るう。

どうするんだ俺?

助けるのか?

できるはずないだろ?

おどおど迷ってると若者達の隙間からホームレスの顔が見えた。ぐしゃぐしゃで血まみれだった。
しかしその汚い体で守っていたものがあった。

猫だ。

ホームレスはどんなに暴力を受けても猫を必死に守っていたのだ。その時、体が震えたのを感じた。

あんなホームレスでさえ猫の命を守ってるのに俺は何だ?

人類消滅。

そんなのどうでもよかった。ただ目の前の命を救いたい。そういえば天使の奴が言ってたな。

「人間のもつロマンっていう物が好きなんだ」

悪くない。ロマンに生きようじゃないか。気がついたら俺はホームレスの所へ走っていた。

「や、やめろ!」
情けないことに声が震えていた。

「あ?」
若者達の視線が俺に集まる。

「その人に暴力を振るうのをやめろ!」

「は?何言ってんのこいつ。何ならお前も痛め付けてやるよ」
まあこうならるだろう。俺は拳に力をこめ、近くの若者を殴った。

「っ!てめぇ殺すぞ!」
想像通りの格好をした若者だが強さは想像以上だった。たちまち俺はぼこぼこにされた。

「口のわりに全然弱いじゃん。おいお前今なら土下座して謝れば許してやるよ。どうする?」
そう言って若者は笑った。
痛い。

血がでてる。

もうやだ。

土下座?…

「誰がするかあ!」

「じゃあ望み通り死ね」
若者が殴りかかろうとした時、光が周り包んだ。目をあけたらそこにいたのは天使だった。

「よく言った。協力どうもありがとうわたる君。いやあ…やっぱロマンっていいね華がある。」

「お前…何しにきたんだよ」

「言ったろ俺と一緒に世界を救おうって」
天使は似合わないウィンクをした。

「何だてめぇ!てめぇもボコされたいってか?」

「やだよ。痛いじゃん。それにボコされるのはお前らだ」

「何?」

「さあ反撃開始だ!」

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