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神の丘〜二人〜終

[496]  佐奈  2009-04-04投稿
「あの、”レメク”とかいう男、一体何者なんです!憂牙の知り合いですか!?」

古いアパートの部屋に二人の足音が響く。

「知らん」

ぶっきらぼうに答える憂牙が、自分の部屋から袋を取り出し、クロムに投げた。

「今すぐこの街を出る。荷物をまとめろ」

「えっ‥」

「まだ死にたくないだろう?‥あいつに関しての情報が少なすぎる。早くしろ!」

「・・・・」



赤いレンガの街にオレンジの光が降り注ぐ中、クロムは振り返った。

「‥行くぞ、クロム」

「・・・はい」

クロムの目の先には、あの教会が小さく映っていた。


「クロムまだかな〜。せっかく綺麗にしたのに」

教会の中には、四人の子供と、ゴンザとその友達が、クロムの帰りを待っていた。

「色々、大変なんじゃないか?」

「色々って何だよ!ゴンザ!」

「そうだ!色々って何だ!」

「色々は色々だよ!‥さっ、もうすぐ日が暮れる。そろそろ帰ろうぜ。また、ばーちゃんに怒られちまう」

「クロム、明日は来るかな〜?」

「あんなに喜んでくれたんだ、きっと来るよ」

教会の扉の無い出口から、六人の細長い影と、笑い声が、次第にかすれていった。

二人 終

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