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H.V.D.M.L

[1332]  まるたす  2009-04-05投稿
星空が少し遠い夜。

辺りはすっかり静寂に包まれて、凍えるような寒さが肌を刺すようだ。


時は2月。

日によっては雪もまだちらつき、地面を白いベールが覆う。

その下では、いまかいまかと春の陽射しを待つ芽たちが準備をしているのだろう。


もちろん家の中も真っ暗。



そんな中、彼女はゆっくりと自分の寝床から起き、机に置いていた箱を手に取ると、自室を出た。

ぎしぎしとなる廊下を、できるだけ音の立てないように静かに歩き、突き当たりにあるドアへと向かった。


電気はついてなく、手探りだったが、一本道だったのが助かった。

彼女はすぐにたどり着くことができた。



起こさないようにドアを開けると、彼のすやすやという寝息を確認した。

どうやらずいぶん疲れているようだ。
近づいても起きる様子はなく、彼女としては都合がよかった。


彼女は彼の枕元に箱をそっと置いた。
ピンクのカードを添えて。

作戦は予定通りに成功したらしい。
彼の顔を見て、彼女は少し微笑んだ。


━どんな反応するのかな?



そんなことを思いながら、静かに自室へ戻り、眠りについた。







真太郎へ

あなたと出逢えて本当によかった。

これからもそばにいてね?


ずっと大好きだよ。



HAPPY VALENTINE!!
DEAR MY LOVER...



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