夜伽話
辛いよ 苦しいよ
あなた……
もっと撫でて 私のことを
もう一人にしないで
小指を曲げて ゆびきりげんまん
ずっと一緒に 約束しようね
身分違いなんてこの平成の世に
何を言うの あなたは兵士、私は姫
けれど恋愛は互いの気持ち次第でしょう
なのに…
私は一人ぼっち
薄暗い部屋の隅で怯え泣いているよ
絵本で見た救世主などいない
今夜も肉親の膝の上で紡ぐ夜伽
もっと撫でて 私のことを
その指、その口で
生きていていいんだよって
あなたの愛撫で 言って
汚いよ 怖いよ 私が私でなくなる
あなたが愛してくれたこの身が
薄汚い欲に塗り潰されてく
名誉の殉職なんて言われたけれど
私は知っている
あなたを消したのは…
黒い気持ちが私を包む
今夜、アイツを消したら
迎えにきて
そしたら
もっと撫でて 私のことを
もう一人にしないで
小指を曲げて ゆびきりげんまん
ずっと一緒に 約束しようね
もっと撫でて 私のことを
その指、その口で
(こんな汚れた私でも…)
生きていていいんだよって
あなたの愛撫で 言って
「愛してる。」
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