切恋2‐setukoi‐
あれから,一週間が過ぎた。恵が春に詰め寄ったところ,今日の放課後 手紙に返事を書いて渡すらしい。
「…どうしよー…あれから春と全然話してないんだよね…」
「んー…大丈夫じゃない?どうせ手紙じゃんっ」
昼休み,同じクラスの春に聞かれないよう,隅で 紫乃と恵が話していた。
「なんで恵はそんなにお気楽なの…あたしは今にも泣きそうだって言うのに」
「なんで今泣くのよ!まだ何にも聞いてないでしょ!」
騒がしいクラスメート達のおかげで,二人の声は春には届いていないようだった。
「だって…もし振られても春の前では泣けないじゃん。だから今泣いとく…」
「だから!手紙なんだから顔合わせる時間なんて短いでしょ!」
恵にそう言われても,紫乃の目にはうっすらと涙が溜まったままだった。
―――――………
―放課後―\r
「…本気でやばい…心臓が…恵は部活行っちゃったし…」
放課後,生徒達が部活動に取り組む中,紫乃だけが教室に残っていた。
「春遅いな…」
紫乃は腕を枕にして窓を見る。
「もう空がオレンジだ…」
6月下旬,つい眠くなるような,心地良い放課後だった。
―数分後―\r
ガラッ
教室のドアが開いた音がする。
「…しゅ,ん…?」
紫乃の記憶は そこで途絶えた。
―――――………
「…や…すずみや…鈴宮!おい!起きろ!」
「…え?」
空もとっくに暗くなった頃,担任の起こす声で紫乃は目が覚めた。
「全くもう…寝るなら家で!ほらもう遅いから早く帰りなさい!」
そう言ってさっさと教室を出て行った担任に,紫乃はほっと安堵する。
「…あのまま寝ちゃったんだ…説教受けなくて良かった…」
そこで紫乃ははっとした。
‘春からの返事は?,
慌てて机の中を見る。何も入っていなかった。
「嘘…じゃあ鞄?」
鞄の中も調べる。携帯,ノート,ポーチ。そして…
「あった…」
紙切れが一枚,入っていた。
「………」
目を見張った。涙は出なかった。信じたくなかった。
春には どうしたらあたしの気持ちが伝わりますか?
あたしは どうしたらいいですか?
‘お前が俺の事好きとか信じれない,
ねえ,春…
「…どうしよー…あれから春と全然話してないんだよね…」
「んー…大丈夫じゃない?どうせ手紙じゃんっ」
昼休み,同じクラスの春に聞かれないよう,隅で 紫乃と恵が話していた。
「なんで恵はそんなにお気楽なの…あたしは今にも泣きそうだって言うのに」
「なんで今泣くのよ!まだ何にも聞いてないでしょ!」
騒がしいクラスメート達のおかげで,二人の声は春には届いていないようだった。
「だって…もし振られても春の前では泣けないじゃん。だから今泣いとく…」
「だから!手紙なんだから顔合わせる時間なんて短いでしょ!」
恵にそう言われても,紫乃の目にはうっすらと涙が溜まったままだった。
―――――………
―放課後―\r
「…本気でやばい…心臓が…恵は部活行っちゃったし…」
放課後,生徒達が部活動に取り組む中,紫乃だけが教室に残っていた。
「春遅いな…」
紫乃は腕を枕にして窓を見る。
「もう空がオレンジだ…」
6月下旬,つい眠くなるような,心地良い放課後だった。
―数分後―\r
ガラッ
教室のドアが開いた音がする。
「…しゅ,ん…?」
紫乃の記憶は そこで途絶えた。
―――――………
「…や…すずみや…鈴宮!おい!起きろ!」
「…え?」
空もとっくに暗くなった頃,担任の起こす声で紫乃は目が覚めた。
「全くもう…寝るなら家で!ほらもう遅いから早く帰りなさい!」
そう言ってさっさと教室を出て行った担任に,紫乃はほっと安堵する。
「…あのまま寝ちゃったんだ…説教受けなくて良かった…」
そこで紫乃ははっとした。
‘春からの返事は?,
慌てて机の中を見る。何も入っていなかった。
「嘘…じゃあ鞄?」
鞄の中も調べる。携帯,ノート,ポーチ。そして…
「あった…」
紙切れが一枚,入っていた。
「………」
目を見張った。涙は出なかった。信じたくなかった。
春には どうしたらあたしの気持ちが伝わりますか?
あたしは どうしたらいいですか?
‘お前が俺の事好きとか信じれない,
ねえ,春…
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