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読んではいけない。

[487]  椿カオルコ  2009-04-05投稿
行き先も行き場もない。
魂の閲覧さえも許されない。

紡ぐ言葉すべてが、
自慰行為だと言うのなら。

仕方が無い。

唇を寄せることも、
触れて温もりを
感じることも許されない。

怒りも哀しみも
権利が無い。

だから、眠るだけ。

目を細めて、
見つめる景色にいる
あなたの存在を、
私は確認するために
生きている。

ありがとう。

決して
理解されない言葉だから、
たゆたう
このコンクリートジャングルな中で、
冷たい石に頬を寄せる。

誰も私に気付かない。

誰も
私を確認しない。

散っては舞う桜の中で、
目を見開いた。

何も見ない。

見ることもない。

明日はない。

歴史の海に
涎を垂らすだけ。


ここは、寒い。


神なんかいない。


明日は裸足で歩こう。


全裸の心を
ホルマリンに漬けて。

たなびく風が
漆黒の闇を打ち破る。


色も瞳が認識する
何かさえもいらない。

刻み付ける証もない。




絶望。

人はこれをそう呼ぶ。

殺してしまった心のホストを
私は愛せなかった。

悪なんかわからない。

あなたには、
この先も生きて欲しい。

幸福の意味を知って欲しい。

もう音楽は聞こえない。
アスファルトに同色の詩を。
すべての愛に陳腐な契約を。


涙なんかもう要らない。


ただ口づけが欲しい。


帰る処もない。


ただ独り。

指を咥えて、よがるだけ。


歴史は戻らない。


だから、愛こそ永遠。



憐れみも慰めも要らない。


紡げる音楽が欲しい。


哲学書は要らない。

生きてくための
眠るための

景色が欲しい。



与えることはない。

奪うだけ。

そうして、生きてきた。
それしか、知らない。



正解を一切知らない。

あるわけもない。

価値もない。



緑色のヘドロの行き先を知らない。

このコールタールの
排斥場所を知らない。

あなたは、自己犠牲と言う名の美徳の塊。

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