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健気なオジサン?

[772]  ぐうりんぼ  2009-04-10投稿
 オジサン…

 同じ町内の人たちと一緒に緑色の交通安全のユニフォームを着て、今日も交差点に立っていた。

 そこは、学校への通学路の一部になっている。

「やあみんな、おはよー! おはよー!」

 元気良く、笑顔で僕たちに挨拶するオジサンたち。

「おはようございまあす!」

 僕たちも挨拶する。

「おはよう!」

「おはようございます!」

「おはよう、クルマに気をつけてな」

「ハーイ!」

 顔なじみになって、気軽に会話するコたちもいる。

 オジサン以外の他の大人の人たちにだけどね。

 誰も、オジサンには話しかけたりはしない。

 悪く言えば…

 完全無視ってやつ。

 別に、オジサンの事が嫌いじゃないんだ。

 オジサンって凄くイイ人で、気軽に僕たちと話しをするし…

 悩み事があったら親身になって聞いてくれる。

 僕たちみんな、オジサンの事が大好きなんだ。

 なのに誰も…

 オジサンだけには声をかけたりはしない。

「誰もオジサンだけには振り向かないから、寂しいでしょう?」

 僕の質問にオジサン、寂し気に言うんだ。

「うんそうだネェ。キミ以外のコはみーんな、オジサンを無視するんだ」

「だったらオジサン、もうココに立つのは辞めたら?」

「どうしてだい?」

「どうせ、誰もオジサンには相手にしないんだからサ。やるだけ損だよ」

「君の言う通りかもしれないね? でもオジサン、辞めるワケにはゆかないんだよ」

「どうして?」

「コレはオジサンたちの大切な仕事だからネェ」

「そんなに大切?」

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