携帯小説!(PC版)

夢-2-

[326]  LL=  2009-04-10投稿
それは、たくさんの偶然の重なりで、ただ一つの想いを貫いた結果だった。


その日はたまたま、いつもより早く起き、
偶然、つけたテレビがニュースをやっていて、
そして‥‥ふと、ずっと探していた彼女を見つけたのだった。


心が踊り出す程の嬉しさと、
心が裂かれる程の悲しさと、

初めて夢以外で見た君の表情は、笑顔とは程遠い、涙にあふれていたのだから‥


僕の足は、たまらず走り出していた。


それは悲惨な事故。
旅客機墜落。
死者300人以上。

奇跡的に生還したのは、旅客機の操縦士、その一人娘だけだった。
ほとんど無傷で生還した彼女は、その奇跡の代償に‥何百人の行き場のない怒りを向けられた。

−−−−−−−−−−−−

暗く閉ざされたアパートの一室。
ボロボロの布団を頭まで被って、私はペンを走らせた。


拝啓。
夢の中の貴方へ。

貴方のことが、大好きです。

だから、教えてください‥


ガシャーンっ!!

外から投げられた石が、窓ガラスを突き破って私の頭上を越えていった。

「出てこいっ この人殺しっ」

「たっちゃんを返して〜!なんであなただけ‥」

「あんたの親のせいだろ!」

「お前にも責任がある!!」

大勢の人の叫びが、割れた窓ガラスの穴から怒涛する。


やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて‥‥


「やめろーっっ!!!」


聞いたのとのない声で、
聞く人全てを尻込みさせる声色で、
久々に聞いた、私を助ける言葉。


私は布団を被ったまま、恐る恐る割れた窓に近付いた。

そこには、大勢の、私を非難する人たちと‥‥‥

その後ろで、息を切らしている、
夢にまで、夢でしか会えなかった…

大好きな人がいた。

−−−−−−−−−−−−

君は、
貴方は、
どこにいるのですか?

ただ、望むあなたの目の前に‥

−−−−−−−−−−−−

それは、春。

忘れることのない、
夢が叶った季節だった。


まぶしい太陽を背に、

それに負けないくらい輝く、満面の笑みに…


僕は恋をした。


fin

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