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月光に染まる魔王〜第二話〜

[680]  へたれもち  2009-04-15投稿
突然、名前を聞かれた
真はただ無言で少女を
見ていた…
「邪魔したな。」
その場を立ち去ろうと
後ろを向く。
「別に邪魔じゃ
ありませんよ。
それより、
名乗ってくれても
良いと思います?」
と少女は優しく
穏やかに言う。
しかし、真の表情は
人形のように変わらず、
口調は冷たく
「名前にどれ程の意味が
ある?所詮、会う事が
なければ意味など
ないだろう?」と返す。
少女は少し困った顔で
「いいえ、会った事に
意味があるんです、
八神真君。」
最後の一言が真の頭に
響く…そして、振り返り
「名前…知ってたのか…
僕はそんな有名人な
つもりもない…まさか、
ストーカーか?」
少女はクスクスと笑う…
「真君は思ったより有名
ですよ。」
少女は立ち上がり、
真の横を通り過ぎる。
「…名乗らないか…
知りたくもないがな。」
そのまま、真は少女を
見送る。音楽室の扉を
閉めて、真は下校した。

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