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君と彼女7

[118]  さくら  2009-04-18投稿
冷たい風が頬をなでた…。

窓に反射して写った彼女の顔は、どこか寂しそうだった…。

外は雨が降っていた…。

「喫茶 夢見の樹」
と書かれた、真上にある看板から雫が落ちてきた…。

下を見ると、コンクリートがまだ渇いている。

『タイミング悪いなぁ。』

独り言をぼやくと僕は、鞄を頭に乗せて、帰り道を走って帰るのだった…。

冷たい風と雨が、僕に降りかかってくる…。

雨にうたれながら、彼女の言葉を思い出していた…。

『私…ピアノがあるからこそ、今の自分でいられるの…。』

そう呟いた時の彼女の表情は、真剣そのものだった…。

「…確かに…そう…だよな…。」

びしょびしょに濡れたコートを諦め、僕は雨の中を歩き出した。

…僕も…“君”がいてくれたからこそ、今の自分で居られる…。

理由は違うにしろ、彼女の気持ちが痛いほど伝わってきた…。

彼女も、自分を見つけるのに必死なんだ…。

答えが見つかるまで…

彼女は永遠にピアノを弾き続ける…。

正直驚いた…。

あんなに明るく振る舞っていた彼女が、記憶喪失だなんて…。

今の自分が…本当の自分じゃないかも知れないのに…。

ピアノを弾いている彼女…。

時折涙を流しては、
どこか遠くを見つめていた…。

★★★

家に着いた時には、暖まった躰もすでに冷えきっていた…。

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