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月光に染まる魔王〜第五話〜

[707]  へたれもち  2009-04-19投稿
「行くよ、アーサー…
目標はあれ…。」残念…
悪いけど、生きては
返さない…まさか、
同じ学校の生徒とは
思わなかったけど。

なんだ…この違和感は?
殺気すら感じる…、
久しく感じてないもの…
身体が勝手に動いた。
横を見ると、刃の有る
鉄塊…剣なのか…それも
かなりの大きさだ。
しかし、そんな物が何故
現代にある…。
「不意打ちで避ける。
…戦い馴れてる…
気をつけて。」
一人の少女と鎧の着け、
剣を構える…男…
「物騒になったものだ、
夜におちおちと外に
出られないとはな。」
少女が
微笑むのが見えた…。
「大丈夫、君だけ…
今のところはね。」
僕だけか、迷惑なもの
だな。楓とか言う女に、
目前の従者を連れた女に
…全く…いつから人気者
になってしまったんだ…
悪い意味で…。
「簡単に殺せる
と思うのか?」
これは心理戦に
持ち込まなければ、
勝ち目はない。
逃げ切るか、戦意喪失を
させる…どちらも極めて
困難だ。逃げ切るには
身体能力が違い過ぎる。
戦意喪失させるにも、
戦力差が有りすぎる。
気分はスーパーヒーロー
にでも挑む気分だ。
(本当にそう思うか?
まだ勝ち目はあるかも
しれないぞ?)
勝ち目など…?…なんだ
今の声は…頭から響く、
それに、こんなときに
痛みが…くっ…
終わったな…。呆気ない
ものだな、人生なんて。
僕は例の痛みでまた
その場でしゃがみ込で
いた…生死の狭間だと
だと言うのに…な。
運の無さにある種の
感動を覚えるよ。
(相手の運の無さにか?
それは愉快だな…。)
誰だ?さっきから頭に
直接語りかけるのは…
(良いから、利き腕を
突き出し、掴むように
引き抜け…)
ああ、相当重症だな。
ちなみに両利きだが?
(好きな方で引け。)

真は右腕を突き出し、
何かを掴んだものを
引き抜くように腕を
引いた…すると一個の
塊が真の手に握られて
いた…不安定に…。
(自らの最も強きもの
を想像しろ。)
「アーサー!急いで!
殺られる!」
また、真に大剣が振り
降ろされる。しかし、
それは避けられていた。

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