次の日の日曜日は貴方は家族と過ごすだろうと連絡は辞めておいた

貴方から朝メールが来て
一度だけ返して終わりにした
もう無いだろうと思っていたから携帯は気にはしていなかった
貴方のメールに気付いたのは大分経ってから
返そうとした時に電話があった
『返事なかったから』と不安そうな声
申し訳なくもあり可愛くも思った
その為にわざわざ外に出てかけてくれた

その電話で初めて貴方が私を下の名前で呼んだ
一瞬どきっとした
それだけでときめいてしまう
自然に呼んだ名前
だから自然に会話をした
でも本当はすごく新鮮で嬉しかった

休みの日にも電話出来て
声が聞けて
それがとてもありがたかった
『声が聞きたかった』と言う貴方に愛おしさも増した

でもその喜びだけで忘れかけていた事実
受話器の向こうに聞こえて来る子供の声
『パパ』と呼ぶ可愛い男の子の声
その瞬間に現実に引き戻される
『お子さんも一緒ですか』と明るく聞いてはみたけど心は痛い
貴方はこうしている間も一人ではない
私は一人なのに

『適当に遊んでるから大丈夫』と言うけれど
そういう事ではなかった
悟られない様に明るい声は崩さない
僅かな苦しみの限界を感じながらも見せてはいけない弱さがある

電話を切る時『ありがとう』と言ったけど本当は再確認してしまった孤独が締め付けた

笑う時は二人
泣く時は一人
そうしないといけない
今流す涙は貴方に会う時までには消さないと

強がりなんて凄く大変な事
ただ自分を押し殺して
貴方を苦しめない為に自分を苦しめるだけで
一番意味がある様で一人の時には一番無意味な事の様に感じる

胸を張って
何も考えずに生きてみたい
本当はそうやって貴方とちゃんと向き合っていたい

感想はありません。

• 君がいる〜時間〜
• 君がいる〜色彩〜
• 君がいる〜溶解〜
• 君がいる〜約束〜
• 君がいる〜無償〜
• 君がいる〜矛盾〜
• 君がいる〜理由〜

もっと見る

• 片想いでも、恋は恋☆5
• 自分のための物語
• 恋人は背後霊３２
• 慣れ愛
• 2019年10月20日
• 恋人は背後霊３１
• セピア色(カラー)5

もっと見る