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思い出の足跡(35)

[533]  優風  2009-04-21投稿
・ 曲が終わると同時に目的地に着いた。

「目的地ってここ!?」
「そうだよ、ここ。降りるよ」

そう言ってから僕は車を降りた。僕が行きたかったもう一ヶ所の場所とは僕達が通った小学校だった。

「懐かしい。小学校に来るのなんて卒業以来じゃないかなぁ」
「そうなんだ。じゃ、約十年ぶりだね」
「そっかぁ、そうだよねぇ。卒業してからもう十年以上たつんだぁ。なんかあっという間の十年だった気がする」
「そうだよね。最初の始まりは長く思えて気が重たく感じるけど終わってみるとえっ、もう終わりってなんか短く感じるんだよね、不思議と」
「うん、するする。ところで貴士君は時々来るの?」
「いや、俺も約十年ぶりだよ。夏休みに自由水泳ってあったじゃん。高一の時、その監視員のバイトして以来かな」
・そう語り合いながら僕達は校内を散歩した。ブランコもシーソー、鉄棒やジャングルジムその他もろもろ何も変わっていなかった。しいて言えば朝礼台の色が青から黄色に変わっていた事とグラウンドの隅にバスケットボールのゴールが設置されている事だった。

「懐かしいなぁ。このブランコよく乗って遊んだなぁ」そう言ってから美香はブランコに座りこぎだした。それに習うように僕も腰を下ろし並んでブランコをこぎ始めた。

「昔、よくやったよ!片方の靴を飛ばして天気を占うやつ」
「うん、あたしもよくやった」

そう言いながら僕達はブランコをこぎ続けた。少し童心に戻った気分だった。

・それからブランコを降りて僕は鉄棒に足を向けた。僕は鉄棒に手をかけてから握ってみた。冷たくひんやりしてた。美香もブランコをこぐのを辞めて近づいて来た。
「昔はもっと高く感じたのにこんなに低かったんだな」  
「逆上がりとか出来た?」
「どうやっても出来なかったな。でも、今なら出来そうな気がする」美香をチラッと見て言うと美香は微笑みながら、
「やってみたら?」
と、言った。僕は頷いて上着を美香に渡してから両手で鉄棒を握った。そして一回深呼吸してから“えいっ”と地面を蹴った。子供の頃、どうしても出来なかった逆上がりがいとも簡単に出来た。美香は“ぱちぱち”と拍手をした。
「ねぇ、覚えてる?俺が小学校六年の時にここでお前がチョコをくれたんだよな」

僕が美香の顔を見て言うと美香はしばし黙って僕を見つめてから“そうだよ”と言った。

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