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desteny??

[319]  meeco  2009-04-22投稿
desteny―\r

運命だった。もう、顔を見る事も無いと思っていた。忌まわしいあの日の私の身体を汚して去って行った、顔も知らなかった男性―\r

今、麗華の彼として、私の目の前に立って居た。

「香里、紹介するね、私の彼の・・・。」

「中川秀樹って言います。香里ちゃんだよね?」

呆然と、その場に立ち尽していた。

「・・・、はい・・・。」

声も、殆んど出ていなかったと思う。

「香里、どうかした?顔、真っ青だよ?」

麗華は、中川と顔を見合わせた。

「え?・・・、そ、そう?」

言葉を返すのがやっとだった。どうしたら良いのかすら、解らなかった。中川は、私の顔をじっと見詰めたまま視線を外さなかった―\r

「何?秀樹、香里と知り合いなの?」

動揺もせず、中川は、麗華に答えた―\r

覚えているのは、私だけか―\r
若しくは、私の勘違い、思い違いなのか・・・。それすら、答えは出ない。

しかし、直感で、私は、あの日の男性に違い無いと感じていた。

「ううん、でも、何処かで逢った事有るのかなぁ〜って。気のせいかな?」

「昔の彼女に似てるとか?・・・、もしかして、一晩だけの相手だったり?似てるんでしょ?香里本人じゃ無くて。」

「香里ちゃんとは、今日が初対面だよ。麗華、妬きもち?」

聞いているのが、辛かった。中川は、私の顔を忘れているのか、麗華の手前、忘れた振りをして、と呆けているのか、気になっていた。中川の受け答えで探るしか無かった。

「妬きもちじゃ無いって・・・。大体、香里は一途なんだって。高校の時から、ずっと好きな子が居るの。話したでしょ、私の親友でも有る、淳。秀樹と接点なんて有る訳無いし、有ったら、私は、絶対知ってるよ。」

「あっちゃんでしょ?聞いてるよ。まぁ、落ち着きなよ。座って、麗華。香里ちゃんも。」

中川は、紳士的に私の前の椅子を引いて、座る様に促した。全身が、ガタガタと震え、血の気が引いて行くのを、自分で分かりながら、止める事が出来なかった。今すぐにでも、この場から逃げ出したかった―\r

「ワイン飲んだら、お手洗いに行きたくなっちゃって。行って来るね。先に注文しておいて。」

麗華は、トイレに立った。中川と私は、席に二人っきりになった。私は、叫び出しそうになっていた。

「香里ちゃん、元気してた?」

言葉の意味が解らなかった。

「・・・えっ?」

「久し振りじゃん、五年振り位か。」

「逢った事・・・、無い・・・、ですよね?」

無い。と言って欲しかった。


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