思い出の足跡(39)
・三月三十日は千春の婚礼の日だった。その日は有休を使い会社を休んだ。
・披露宴は夜の七時から行われた。新郎共々嬉しそうにしてる反面、緊張した面持ちをしてるのが伺えた。式は司会者の下、順調に行われた。千春の友人代表のスピーチは小学校から付き合いのある“今日子"が行った。
「昔から趣味が似てる事もあって同じ人に恋をして好きになってケンカなんかもしたけどそういう事もあって言いたい事が言える仲になって今では悩み等も相談しあえる仲になりました」それから最後に“夫婦、力を合わせて暖かい家庭を築いて下さい!どうぞ、お幸せに”と締めくくり今日子はスピーチを終えた。ケーキ入刀時もキャンドルサービスの時も恥ずかしそうにしながらも幸せそうな感じだった。それにウェディングドレスをまとった千春は本当に綺麗だった。
・二次会は式場から少し離れたダイニング・バーを貸し切りにして行われた。
「千春、本当に幸せそうだな」
遠い目をして見るように僕の横にいた佑人が呟いた。
僕も、
「ああ」
と、言って同調した。
・「貴士」
呼ばれて振り向くとそこにはガキ大将だった剛の顔があった。僕も剛を見て、
「久しぶり」
と、笑顔で言った。
「ここいいかな?」
剛が示した席は最初、和行が座っていたのだが今は千春の友達の所へ行って席を外していた。
「いいよ!座りなよ」
そう言うと剛は横に座り僕のグラスにビールをついだ。
「本当に久しぶりだな。中学を卒業して以来だな」
「うん、そうだね。丁度、十年ぶりってとこか」
僕も剛のグラスにビールをついだ。
「今、何してるの?」
僕はプログラマーとして働いている事を説明した。剛は家業をついで民間の自動車会社で整備士として働いているらしい。それを聞いて不器用な僕とは違って剛に最も適してるなと思った。
・原田達は三次会へと足を運んだが僕は明日、出勤しなければいけないので千春に挨拶をしてから帰る事にした。剛も三次会には参加しないという事から僕と剛は一緒にダイニングバーを出た。
「貴士、サンキューな」
「えっ、何が?」
突然、礼を言われて僕は驚いた。剛は真摯な眼差しで僕を見て、
「卒業記念写真の事だよ」
剛は落ち着いた口調でそう言った。
・披露宴は夜の七時から行われた。新郎共々嬉しそうにしてる反面、緊張した面持ちをしてるのが伺えた。式は司会者の下、順調に行われた。千春の友人代表のスピーチは小学校から付き合いのある“今日子"が行った。
「昔から趣味が似てる事もあって同じ人に恋をして好きになってケンカなんかもしたけどそういう事もあって言いたい事が言える仲になって今では悩み等も相談しあえる仲になりました」それから最後に“夫婦、力を合わせて暖かい家庭を築いて下さい!どうぞ、お幸せに”と締めくくり今日子はスピーチを終えた。ケーキ入刀時もキャンドルサービスの時も恥ずかしそうにしながらも幸せそうな感じだった。それにウェディングドレスをまとった千春は本当に綺麗だった。
・二次会は式場から少し離れたダイニング・バーを貸し切りにして行われた。
「千春、本当に幸せそうだな」
遠い目をして見るように僕の横にいた佑人が呟いた。
僕も、
「ああ」
と、言って同調した。
・「貴士」
呼ばれて振り向くとそこにはガキ大将だった剛の顔があった。僕も剛を見て、
「久しぶり」
と、笑顔で言った。
「ここいいかな?」
剛が示した席は最初、和行が座っていたのだが今は千春の友達の所へ行って席を外していた。
「いいよ!座りなよ」
そう言うと剛は横に座り僕のグラスにビールをついだ。
「本当に久しぶりだな。中学を卒業して以来だな」
「うん、そうだね。丁度、十年ぶりってとこか」
僕も剛のグラスにビールをついだ。
「今、何してるの?」
僕はプログラマーとして働いている事を説明した。剛は家業をついで民間の自動車会社で整備士として働いているらしい。それを聞いて不器用な僕とは違って剛に最も適してるなと思った。
・原田達は三次会へと足を運んだが僕は明日、出勤しなければいけないので千春に挨拶をしてから帰る事にした。剛も三次会には参加しないという事から僕と剛は一緒にダイニングバーを出た。
「貴士、サンキューな」
「えっ、何が?」
突然、礼を言われて僕は驚いた。剛は真摯な眼差しで僕を見て、
「卒業記念写真の事だよ」
剛は落ち着いた口調でそう言った。
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