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永遠の物語【2】

[477]  夏姫  2009-04-23投稿
〜〜第一章〜〜

「おーい、ユアン!一人でどこ行くんだよ」

ユアン・アスラエルは、背後に視線をめぐらした。

そこには、ユアンの親友クリス・セラインが息を切らしながら走っていた。

「何だ、いきなり。別にどこにも行かないが…」

そう言って苦笑いしながらクリスを見る。

「だってさ、ユアンがこの時間に歩いてるなんて珍しいから…」

クリスは紅い唇を突き出した。

「そうか?最近はよく歩いているが」

「いや、絶対何かある!」

そう言われ、うっすらと微笑むユアン。

その灰色の目は優しげだった。

「本当に大したことじゃないんだ。ただ、森に薬草をとりに行こうと思って」

「な〜んだ。そんなことかよ」

「だから、大したことじゃないと言っただろう?」

がっくりと肩を落とすクリスを見て、困ったように辺りを見渡した。

「クリスも行くか?」

そう尋ねた途端、クリスは金の目を輝かせてユアンを見た。

「俺も行っていいのか!?」

「本当はそのつもりで後を追ってきたんだろ?」

からかうような視線に、クリスは豪快に笑った。

「さっすが!よくわかってんじゃん」

ユアンの肩をバシバシ叩く。

「お前はわかりやすいからな」

思わぬ痛みに顔をしかめながら言った。

「よ〜し、森に行くか!」

そう言って駆け出すクリスを、ユアンは笑いながら見つめた。

真昼の日差しが風を伴って優しくそよぐ。

ほっと落ち着くような、そんなのどかな風景が、誰もが忘れてしまいがちな安心する空間がこの村にはあった。

そしてそれは、ユアンの小さな誇りと、かすかな尊敬の念でもある。

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