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月光に染まる魔王〜第七話〜

[676]  へたれもち  2009-04-25投稿
絶対に負けられない…
私は…絶対に!

最初に切りかかったのは
真だった。舞うように
回転し、連撃を次と
加えてく。アーサーは
それを防いでいるが、
手数についてこれずに
徐々に押されてた。
「アーサー、距離を
取って…範囲は短い
と思うから…。」
アーサーが距離を取った
瞬間、真は少女との
距離を急激に詰める。
「駄目、これは罠!」
アーサーの振りかざす
剣はしゃがんだ真の頭上
を通り、真はターンして
アーサーの懐に
潜り込み、鎧の隙間を
斬りつけた。しかし、
深く踏み込めず
大きなダメージを与える
程ではなかった。
それどころか、切り払わ
れていた。間一髪で
防いだが、約3mは
吹っ飛んでいた。
「アーサー!
エクスカリバーを!」
アーサーの構えた剣が
強い光を帯びる。
構えた剣を振りかざすと
地面をえぐりながら、
衝撃波が真を目掛けて
飛んでいく。
「…くっ…。」
真は右手の剣を逆手に
持ち替え、衝撃波を
流すようにして、
左にローリングした。
引力で多少引き込まれ
ていたが、十分に威力を
低減していた。
そのまま、アーサーの
懐に入り込み、左の剣
を突き刺し、
右の剣で鎧ごと切り、
突き刺さった左の剣を
引き抜いた。
「はぁ…はぁ…。」
アーサーはそのまま、
地面に膝を着いた。
致命傷ではないが、
戦闘を続行は無理だ。
「え…アーサー?」
少女の目に絶望が
映っていた。
「大丈夫だ、死なない
程度には抑えた。」
真はゆっくりと少女の
方に歩いていった。
「何故…こんな事を。」
少女は怯えていたながら
その理由を言った。
「願いを叶えたかった
から…大切な人を…
生き返すために…。」
さらに真が近付くと
「どうせ…慰みものに
するつもりでしょ…
あの時はアーサーが
現れて、何ともなかった
けれど…でも、今は
アーサーが…。」

少女が怯えた理由…
過去に何かあったの
だろう…。
「貴女は…
そうされたいのか?」
少女は聞き返してきた…
「え…。」
だから、
もう一度繰り返した。
「貴女はそう
されたいのか?」
少女は静かに
「どうせ…私の意志は
関係ないでしょ…。」
と悲しげに言った。
僕は一言だけ
「僕はそんなことは
したくない…だから。」
そっと、
少女を抱きしめて、
頭を撫でた。

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