まゆき
君を探していた。
※
寂れている。
夏生はそんな場所が、好きだった。
小汚ない居酒屋、老夫婦のやっている喫茶店。
そして、こんな煙草くさいラブホテル。
拓は、ケチな男だしこんな所にしか連れてこない。
ま、車じゃなく数千円かかるここに連れてくるだけ、彼なりに「大切にしている」証なのだろうが。
上下する背中を見ながら、あと一時間弱、無駄な偽愛行為がない事を願った。
嫌いじゃないが、こいつじゃない。
※
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寂れている。
夏生はそんな場所が、好きだった。
小汚ない居酒屋、老夫婦のやっている喫茶店。
そして、こんな煙草くさいラブホテル。
拓は、ケチな男だしこんな所にしか連れてこない。
ま、車じゃなく数千円かかるここに連れてくるだけ、彼なりに「大切にしている」証なのだろうが。
上下する背中を見ながら、あと一時間弱、無駄な偽愛行為がない事を願った。
嫌いじゃないが、こいつじゃない。
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