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いつかまた信じられる日まで?

[437]  夏姫  2009-04-26投稿
それからの私は、ボロボロだった。

みんな一緒じゃんって決めつけた。

誰も信じられなくて、誰にもこのことは言わなかった。

(私なんて、結局そんな程度の存在なんじゃん)

学校にも、部活にも出たくなくって、ギリギリまで家に閉じこもった。

この世の全てが、無意味なものに思えてきた。

私にとって優司は、それくらい大切な存在だったのだ。

(私、これからどうすればいいの…)

太陽のない世界に取り残された私は、答えのない迷路をさ迷い続けた。


それから、三日後のことだった。

「…ん?メール?」

バイブ音に驚いて携帯を見ると、ピカピカと光っている。

「…誰?」

内心緊張しながら携帯を開いてみた。

「弘人…」

そこには、こうあった。

《…姫、大丈夫?最近かけて来ないから、心配だよ。…心の整理がつかないと思うから、落ち着いたらかけてきて》

弘人の優しさがこもったメールに、私はまた泣きたくなった。

〈ありがとう、弘人。多分、明日にはかけられると思うから〉

そう返信した。

《ホントに??姫はいーっも一人で無理するから、信じられない!…嘘つかなくたっていいんだよ》

(全部お見通しってわけ…)

私はため息をつきながら携帯をいじった。

〈ホントに大丈夫だし!ガキ扱いすんじゃねぇよ〉

最後に怒りマークを付け加える。

《分かったっ!だから怒らないで〜》

必死に謝る弘人の姿が思い浮かび、私は笑いそうになった。

(弘人って不思議…。落ち込んでたのが嘘みたい)

どことなく安心した気持ちになりながら、私は携帯を閉じた。


次の日から、私はまた学校に行くのが楽しくなった。

部活にもしっかりと出るようになった。

でも、相変わらず誰かを信じることはできなかった。

(まぁ、それは時間が解決してくれるよね…?)

それもこれも、全部弘人のおかげだった。

(弘人にお礼いわなきゃな)

そんな思いが、春の匂いに包まれていった。

―END―

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