孤(こ) 四
クリスマス・ソングが流れている街を通り、美里は2日ぶりに家に戻った。
いつも「お母さん」と小走りで走ってくる昇太の姿はなく、布団が少し盛り上がっていたので、寝ているんだと思った。
買ってきた缶コーヒーを開けながら、妙に布団がきになる。
出かける日はすごい咳をしていたが、ぐっすり寝ているのか、妙に静かだ。
気になって布団を少し剥いでみた。
薄目を開けている昇太と目が合った、…と思った。 が、すぐにそれが息子の変わり果てた姿と理解出来た。
顔は土色になり、薄目を開け、昔二人で撮った写真を握りしめながら、彼は死んでいた。
「…死ん…で… …る…?」
美里は思わず「ギャー!!!」と叫んでいた。
隣の口うるさいおばさんが、面倒くさそうに
「うるさいわねー、何かあったの!!」と頭をボリボリ掻きながら玄関から顔を出し、中に入ってきた。
帰ってきた時、鍵を閉め忘れたのだ。
腰を抜かしている美里を横目に入ってきた足が止まった。
「…あなた…、何て事を」と、踵を返して
「警察よ!!警察に電話しなきゃ!!!」と走り去った。
呆然としている美里とは関係なく、少しして忙しそうに鳴り響くパトカーのサイレンが、だんだん近くなり、すぐ近くで止まった。
いつも「お母さん」と小走りで走ってくる昇太の姿はなく、布団が少し盛り上がっていたので、寝ているんだと思った。
買ってきた缶コーヒーを開けながら、妙に布団がきになる。
出かける日はすごい咳をしていたが、ぐっすり寝ているのか、妙に静かだ。
気になって布団を少し剥いでみた。
薄目を開けている昇太と目が合った、…と思った。 が、すぐにそれが息子の変わり果てた姿と理解出来た。
顔は土色になり、薄目を開け、昔二人で撮った写真を握りしめながら、彼は死んでいた。
「…死ん…で… …る…?」
美里は思わず「ギャー!!!」と叫んでいた。
隣の口うるさいおばさんが、面倒くさそうに
「うるさいわねー、何かあったの!!」と頭をボリボリ掻きながら玄関から顔を出し、中に入ってきた。
帰ってきた時、鍵を閉め忘れたのだ。
腰を抜かしている美里を横目に入ってきた足が止まった。
「…あなた…、何て事を」と、踵を返して
「警察よ!!警察に電話しなきゃ!!!」と走り去った。
呆然としている美里とは関係なく、少しして忙しそうに鳴り響くパトカーのサイレンが、だんだん近くなり、すぐ近くで止まった。
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