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孤(こ) 六

[533]  彰子  2009-04-27投稿
美里はうなされていた。
夢の中で懸命に言い訳をしていた…
「…カア…サ…ン、僕ト一緒ニ…イテヨ…」と、昇太は美里に向かって手を伸ばした。
 昇太の表情はなく、最期に見た、変わり果てた姿のままで、じっと美里を見つめている…
 
 これは夢。自分の罪悪感から…昇太に申し訳ない事をしたと心で思っているから…と、自分に言い聞かせるが、昇太の目がそれを打ち消した…

「ミンナ…楽シ…ソウダッ…タ… 僕ハ…イツ…モ…独リボ…ッチ  …」
「昇太、ごめんなさい… お母さんが悪かったの。」
「…淋シィ…ヨ  遊ボゥヨ…」
 
美里は汗だくになりながら必死で謝り続けた。 
「ごめんなさい!…でも、もう一緒にはいられないし、遊べないの…私があなたを…」
 と、美里は子供の様に泣きじゃくりながら詫び、顔をあげた途端…  
「オ前ガ、殺シタ!!!!!」

「…そう、   そう…    …そうなの  …  ごめんなさい  !!」 


 自分の汗が吹き出している音が響く様な静けさがあり、体育座りをしていた美里はゆっくりと顔をあげた。

「…母サン  カクレンボ   シヨウヨ …」 
と美里の顔ギリギリに昇太の生気のない顔があった。
 声も出ず口をパクパクさせている美里の腕を昇太が掴んだ瞬間、ジューッ!!
と言う音と共に、皮膚が焼ける嫌な臭いが鼻をついた。  「 熱いーっ!!  」と、あまりの痛みで美里は目が覚めた… 
 ヒリヒリしている腕のシャツを恐る恐るめくってみると、昇太の手形がはっきりと赤く腫れ上がっていた

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