desteny?
最寄り駅から、歩いて自宅まで帰るのは、殆んど、高校生の時以来だった。大学に入学してからは、自分で、車を運転して出掛けるか、バスか、タクシーに乗っていた。同じ風景でも、違って見えた。
自宅までは、街灯も少なく、暗い。終電間際で、人通りも少なかった。あの日、ワンボックスカーが停まっていた、昼間でも薄暗い神社は、あの日と何も変わらず、そこに建っていた。淳との思い出に浸り、歩いていたが、神社が目に入った瞬間、思い出したくも無い過去が、嫌おうにも、頭の中を占拠した。
その時、鞄の中で、携帯が鳴っているのに、気が付いた。
着信は、淳だった―\r
電話を取ろうか、迷っていた。
迷った挙げ句、気が付いているにも関わらず、無視してしまった。麗華の話も聞かれそうな気がした。
「彼氏と逢ったんだろ?」
淳に、聞いて欲しい筈なのに、言える訳が無かった。あの日の事が、無ければ、普通に、電話にも出ていただろう―\r
また、涙が出そうになっていた。必死で、淳との楽しかった出来事を思い出し、気持ちを抑えようとしていた。
自宅の百メートル程手前で、白のベンツSLKが停まって居るのが目に入った。近所では、見掛け無い車だった。何故か、気になりながら、自宅の方へ歩を進めた。自宅まで、あと数十メートルまで来た時、自宅の数件隣に建っている、マンションと一軒家の隙間に人の気配を感じた。
「おかえり、香里ちゃん。」
そこに立って居たのは、さっき、銀座で、麗華の彼氏と紹介された、あの男性、中川だった―\r
「どうして・・・、此処が?」
頭の中は、真っ白だった。何を言ったのか、自分でも覚えていなかった。
「麗華と前に、車でたまたま此処を通った事が有ってさ、その時に、香里ちゃんの家だって、聞いたの覚えてて。」
中川は、マンションの端の壁に、もたれながら、顔色を少しも変えずに言った。
「何の用ですか?帰って下さい・・・、帰って!!」
「声、大きいよね・・・?、大っきい声出さないでよ?ご近所さんが変に思うじゃ無い?」
私の身体は、また、震え出した。言葉も、震えていた。自分では、コントロール不可能だった。
「もう・・・、貴方の顔、見たく無いの!!用が無いなら・・・。」
「用?有るから、来たんじゃん。」
「・・・、用、なんて・・・。」
次の瞬間、私の胸位の位置に、何かが当たった感触が有った。
そこから、暫く私の記憶が無くなった。
私の胸に当たった何か・・・。
それは、防犯用に市販されている、スタンガンだった―\r
自宅までは、街灯も少なく、暗い。終電間際で、人通りも少なかった。あの日、ワンボックスカーが停まっていた、昼間でも薄暗い神社は、あの日と何も変わらず、そこに建っていた。淳との思い出に浸り、歩いていたが、神社が目に入った瞬間、思い出したくも無い過去が、嫌おうにも、頭の中を占拠した。
その時、鞄の中で、携帯が鳴っているのに、気が付いた。
着信は、淳だった―\r
電話を取ろうか、迷っていた。
迷った挙げ句、気が付いているにも関わらず、無視してしまった。麗華の話も聞かれそうな気がした。
「彼氏と逢ったんだろ?」
淳に、聞いて欲しい筈なのに、言える訳が無かった。あの日の事が、無ければ、普通に、電話にも出ていただろう―\r
また、涙が出そうになっていた。必死で、淳との楽しかった出来事を思い出し、気持ちを抑えようとしていた。
自宅の百メートル程手前で、白のベンツSLKが停まって居るのが目に入った。近所では、見掛け無い車だった。何故か、気になりながら、自宅の方へ歩を進めた。自宅まで、あと数十メートルまで来た時、自宅の数件隣に建っている、マンションと一軒家の隙間に人の気配を感じた。
「おかえり、香里ちゃん。」
そこに立って居たのは、さっき、銀座で、麗華の彼氏と紹介された、あの男性、中川だった―\r
「どうして・・・、此処が?」
頭の中は、真っ白だった。何を言ったのか、自分でも覚えていなかった。
「麗華と前に、車でたまたま此処を通った事が有ってさ、その時に、香里ちゃんの家だって、聞いたの覚えてて。」
中川は、マンションの端の壁に、もたれながら、顔色を少しも変えずに言った。
「何の用ですか?帰って下さい・・・、帰って!!」
「声、大きいよね・・・?、大っきい声出さないでよ?ご近所さんが変に思うじゃ無い?」
私の身体は、また、震え出した。言葉も、震えていた。自分では、コントロール不可能だった。
「もう・・・、貴方の顔、見たく無いの!!用が無いなら・・・。」
「用?有るから、来たんじゃん。」
「・・・、用、なんて・・・。」
次の瞬間、私の胸位の位置に、何かが当たった感触が有った。
そこから、暫く私の記憶が無くなった。
私の胸に当たった何か・・・。
それは、防犯用に市販されている、スタンガンだった―\r
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