君からの手紙?
「荒木さん、15年前、由美があなたの前から姿を消した理由ですが…」
語りはじめた嶋野の口から、その理由まで聞ける。
勇一は、どうゆう理由であれ、覚悟を決めていた。
「実は、由美は病気だったんです。」
「え?病気?」
「そうです。ただ、そうだとわかったのは、姿を消す2ヶ月前くらいだと思いますが…」
…そんな。自分には何も言ってくれずに、消えてしまったのか…
「…あの」
「はい?」
「由美はなんて言ってたんですか?姿を消す時」
勇一は、由美の真意を聞きたかった。
本人がいないとはいえ、実の兄である嶋野には真意を語っているだろうと…
嶋野もそれを察してか、しばしの間沈黙した。
…そして。
「由美は…由美は言ってました。だんだん弱くなる自分を見られたくないと。お願いされましてね…。あなたには言ってくれるなと」
勇一は、愕然とした。
勇一と由美が交際を始めたのは、同じアルバイト先で知り合ってからだった。
お互いの人間性にひかれあって、付き合い始めた。
それから、お互いのことは、隠さず話し合ってきていた。
それだけに、病気の為に去っていった由美に疑問だけが残る。
「あの…嶋野さん。由美は今、どうしていますか?」
勇一は、意を決して聞いた。
正直、勇一は由美がどうしているのか、またどうなっているのか聞くのは怖かった。
だが、このままだと前に進めないと思っていた。
どう嶋野が答えようと、覚悟した。
嶋野は、また少しの沈黙のあと、口を開いた。
「荒木さん、由美なんですが…あなたの前から姿を消して、私と由美は、産まれ育った北海道に戻りました。…半年後でした。亡くなりました。」
「亡くなった…由美が…」
勇一は絶句した。
覚悟していたとはいえ、聞きたくない答えだった。
「はい、ガンでした。つらいんですが…」
「そんな…」そう言ったあと、勇一はしばらく言葉が見つからなかった。
嶋野も、黙っているしかなかった。
お互い、次の言葉が、なかなか見つからない。
このやりとりを聞いていた、正と佐野は、後悔と同時にやりきれない気持ちになった。
そして、勇一は切り出した。
語りはじめた嶋野の口から、その理由まで聞ける。
勇一は、どうゆう理由であれ、覚悟を決めていた。
「実は、由美は病気だったんです。」
「え?病気?」
「そうです。ただ、そうだとわかったのは、姿を消す2ヶ月前くらいだと思いますが…」
…そんな。自分には何も言ってくれずに、消えてしまったのか…
「…あの」
「はい?」
「由美はなんて言ってたんですか?姿を消す時」
勇一は、由美の真意を聞きたかった。
本人がいないとはいえ、実の兄である嶋野には真意を語っているだろうと…
嶋野もそれを察してか、しばしの間沈黙した。
…そして。
「由美は…由美は言ってました。だんだん弱くなる自分を見られたくないと。お願いされましてね…。あなたには言ってくれるなと」
勇一は、愕然とした。
勇一と由美が交際を始めたのは、同じアルバイト先で知り合ってからだった。
お互いの人間性にひかれあって、付き合い始めた。
それから、お互いのことは、隠さず話し合ってきていた。
それだけに、病気の為に去っていった由美に疑問だけが残る。
「あの…嶋野さん。由美は今、どうしていますか?」
勇一は、意を決して聞いた。
正直、勇一は由美がどうしているのか、またどうなっているのか聞くのは怖かった。
だが、このままだと前に進めないと思っていた。
どう嶋野が答えようと、覚悟した。
嶋野は、また少しの沈黙のあと、口を開いた。
「荒木さん、由美なんですが…あなたの前から姿を消して、私と由美は、産まれ育った北海道に戻りました。…半年後でした。亡くなりました。」
「亡くなった…由美が…」
勇一は絶句した。
覚悟していたとはいえ、聞きたくない答えだった。
「はい、ガンでした。つらいんですが…」
「そんな…」そう言ったあと、勇一はしばらく言葉が見つからなかった。
嶋野も、黙っているしかなかった。
お互い、次の言葉が、なかなか見つからない。
このやりとりを聞いていた、正と佐野は、後悔と同時にやりきれない気持ちになった。
そして、勇一は切り出した。
感想
感想はありません。
「 YOSI 」の携帯小説
- 劇団ドリームシアター(32)
- 劇団ドリームシアター(31)
- 劇団ドリームシアター(30)
- 劇団ドリームシアター(29)
- 劇団ドリームシアター(28)
- 劇団ドリームシアター(27)
- 劇団ドリームシアター(26)