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奈央と出会えたから。<354>

[548]  麻呂  2009-04-30投稿

* * * * * *

『北岡 聖人。ちょっと職員室へ来なさい。』



聖人が職員室に呼ばれたのは、森宮とのコトがあってから、1週間が過ぎた頃だった。



『あ?!何だよ。めんどくせーな。』



聖人は、軽く舌打ちすると、職員室へ向かった。



どうしたんだろう。また服装とか、髪型のコトでの呼び出しかなぁ。



聖人が職員室に呼び出されるのは、そう珍しいコトではなかった。



だから、あたしも大して気には留めていなかったんだ。



『奈央‥‥ちょっといい‥‥?!』



ユカがあたしに小声で言った。



『ユカ???』



あたしは、ユカの表情から、聖人が職員室に呼び出された理由について、何か知っているのだと悟った。



『多分、今、職員室にヒロキのお父さんが来ていると思う。
昨日、うちのお父さんが言ってたんだケド、

ヒロキのお父さん、聖人がヒロキを殴ったコトについて、凄く怒ってるんだって。』



『“お父さんが言ってた”って?!

ユカのお父さんは、森宮さんのコト、どうして知ってるの?!』



『ヒロキのお父さんは、教育委員会の教育長なの。』



『えぇっっ?!』



お、落ち着け落ち着け‥‥‥。



そ、そっか!!



ユカのお父さんは、うちの学校のPTA会長だもん。



当然、教育委員会の方達とも交流があるワケよね。



でも、それってよく考えたらまずくない?!



要するに森宮のお父さんは、教育委員会の偉いヒトだってコトよね?!



聖人、大丈夫かな?!



う゛〜〜‥‥パ、パニック!!

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