奈央と出会えたから。<354>
* * * * * *
『北岡 聖人。ちょっと職員室へ来なさい。』
聖人が職員室に呼ばれたのは、森宮とのコトがあってから、1週間が過ぎた頃だった。
『あ?!何だよ。めんどくせーな。』
聖人は、軽く舌打ちすると、職員室へ向かった。
どうしたんだろう。また服装とか、髪型のコトでの呼び出しかなぁ。
聖人が職員室に呼び出されるのは、そう珍しいコトではなかった。
だから、あたしも大して気には留めていなかったんだ。
『奈央‥‥ちょっといい‥‥?!』
ユカがあたしに小声で言った。
『ユカ???』
あたしは、ユカの表情から、聖人が職員室に呼び出された理由について、何か知っているのだと悟った。
『多分、今、職員室にヒロキのお父さんが来ていると思う。
昨日、うちのお父さんが言ってたんだケド、
ヒロキのお父さん、聖人がヒロキを殴ったコトについて、凄く怒ってるんだって。』
『“お父さんが言ってた”って?!
ユカのお父さんは、森宮さんのコト、どうして知ってるの?!』
『ヒロキのお父さんは、教育委員会の教育長なの。』
『えぇっっ?!』
お、落ち着け落ち着け‥‥‥。
そ、そっか!!
ユカのお父さんは、うちの学校のPTA会長だもん。
当然、教育委員会の方達とも交流があるワケよね。
でも、それってよく考えたらまずくない?!
要するに森宮のお父さんは、教育委員会の偉いヒトだってコトよね?!
聖人、大丈夫かな?!
う゛〜〜‥‥パ、パニック!!
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