なくしたモノ[10]
「つまんないヤツ。」
呆れたように言う先生。
「興味はありますけどね。」
からかうように笑った。
「何、それ?」
また苦笑いだ。
「別に?。」
気にもとめずに用紙にクラスと氏名を書いて差し出した。
「なんか具合治ったんで
もう戻ります。」
先生の顔は
そういえば見なかった。
でも
話してたら本当に楽になったから。
あそこの雰囲気は
あたし好きかも。
薬品の匂いと
茶色い瞳。
男の人と話すの
なんだか久しぶりな気がした。
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