陰に眠る旅人は夢を見る。【青】
ウフフフフフ。
不気味な笑い声が空間全体を響きわたる。
いま見ているのは、【青】の夢。全てが青い。でも、ボクを除いて。
そして、ボクはその空間に浮かんでいる。海に浮かぶよりも重く、ずっしりとそこに浮かぶ。手をばたつかせてみても空間を移動できるわけもなく。ただ、そこに浮かんでいる。
アハハハハハ。
また笑い声。もう何度も聞いた声だ。
「うるさい」
それは叫びだった。呟きではなく、叫び。でも、呟き程度にしか響かない。ここでは、音が吸い取られていくようだ。でもなぜ、笑い声は響くのだろう。
『大丈夫か?』
次は、笑い声ではなく、その言葉が響いた。
「だまれ」
叫び、だが呟きになる。
「おまえは知らないだろう。同情が、一番恐ろしいんだ。おまえには、分からないだろう。弱者の”こころ”が。おまえには・・・」
ふわり。
やわらかな風がふいた。
ちょうど、砂が飛び散るように青が薄れた。また新たな夢が始まるのか。
りんごの香りがした。
なるほど、次は、【赤】か。
不気味な笑い声が空間全体を響きわたる。
いま見ているのは、【青】の夢。全てが青い。でも、ボクを除いて。
そして、ボクはその空間に浮かんでいる。海に浮かぶよりも重く、ずっしりとそこに浮かぶ。手をばたつかせてみても空間を移動できるわけもなく。ただ、そこに浮かんでいる。
アハハハハハ。
また笑い声。もう何度も聞いた声だ。
「うるさい」
それは叫びだった。呟きではなく、叫び。でも、呟き程度にしか響かない。ここでは、音が吸い取られていくようだ。でもなぜ、笑い声は響くのだろう。
『大丈夫か?』
次は、笑い声ではなく、その言葉が響いた。
「だまれ」
叫び、だが呟きになる。
「おまえは知らないだろう。同情が、一番恐ろしいんだ。おまえには、分からないだろう。弱者の”こころ”が。おまえには・・・」
ふわり。
やわらかな風がふいた。
ちょうど、砂が飛び散るように青が薄れた。また新たな夢が始まるのか。
りんごの香りがした。
なるほど、次は、【赤】か。
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