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Blanc et Noir♯5

[200]  弥生24  2009-05-03投稿
第五話【始まりの音】

深い闇に包まれる暗い森に一定の短い間隔で足音が木霊する。
足音の主は地面を蹴りあげ、太い木の枝に乗り、木から木へと飛び乗って行く。
音の主は十代後半ほどの黒い髪に蒼い瞳を持った青年。彼の腰に下がる鞘には剣が納められていた。

一方、青年に追われる者がいた。
それは普通の人間よりも遥かに優れた身体能力でこの森を支配してきた者だった。それには自らには劣るものの、やはり普通の人間よりも優れた身体能力を持った子分の様な者たちがいた。
しかし、彼らは少し離れた場所で倒れている。いや、倒されているのだ。彼を追う、たった一人の青年によって。

「逃げるのはそこまでだ」
大きく枝が撓り青年は自らの追う獲物、青年たちが魔物と呼んでいる生物の前に降り立った。
青年は目の前にいる魔物を一度だけ見て小さく息を吐いた。
青年はゆっくりと自分の腰に下げてある鞘から鋭く研ぎ澄まされた剣を取り出した。
魔物は青年に怯え、後ろへと後ずさる。

「恐れ、か。お前らみたいのにもそんな感情はあるんだな・・・」

青年は言葉を言い終えると勢い良く地面を蹴り、一瞬で魔物に接近、次の瞬間には魔物の体から赤黒い血が溢れ出ていた。


永い時を経て始まった青年の物語。 時計の針は動き始めた。

『Blanc et Noir 第一章 時計は静かに動き出す』より

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