LOVE&STAR 5
三浦さんとの会話を見ていたミサが寄って来た。
「何話してたの?」
「これ、貰ったんだけど…」
私は握っていた時計を見せた。
「時計?」
小さく頷いた。
「それにしても、古いよねー」
「ねっ。時間もだいぶズレてるし」
2人はマジマジと時計を見つめた。
そうこうしているうちに、
担任の金田が教室に入って来た。
「もうすぐチャイムが鳴るから、皆、席に着くように」
と、金田は生徒に指示を出した。
私は席に着いた。
私の席は、教室の真ん中だ。
…キーンコーンカーンコーン。
チャイムが二回鳴り、
完全に生徒が席に着いた所で一礼する。
「先生!」
ミサが手を挙げた。
「三浦さんがいません」
「欠席、な。中川、有り難いんだが、出席の時に言ってくれ」
その一言で、笑いが起こった。
「いえ、さっきまで居たんです」
「あっ、私も見ました」
私は思わず席を立った。
…ああ、これだから私は。
ドン引きだろうな。
「嘘つけー。三浦なんて見てねえぞ??」
クラスで何かと目立っている、
安藤が言う。
「嘘なんてついてないし!!」
と、ミサは眉を吊り上げる。
「だって証拠に、時計貰ったもん」
私も続いて言い返す。
言い合いが続いていると、
クラス委員の佐藤が席を立った。
「言い争いは、時間の無駄です。先生、そうですよね?」
佐藤が出てくると、厄介だ。
すぐ誰かしらの教師を味方に付けようとするから。
「そうですね。佐藤さんの言う通りです。三人とも、席に着いて下さい」
こうして、慌ただしい朝礼が終わった。
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