ろーぷれ 2
【光定〜ミツサダ】
人の名前のようだが、一体....。
私は早速アパートへ帰ると、サイフォンで借りたこのロープレの世界へと飛び込んでみた。
そしてまずい事になった。
こちらで入力しなければ打ち出されない筈の私の名前、年齢等個人情報が既に表記されていたのだ。
道木も知らない筈の私の個人情報。
つまりこのソフトはパソコンに入れた時に自動的にハッキングをしたらしい。
ゲームの主人公の名前もハンドルネームは受け付けないようだ。
自分の名前でプレイしろという事なのか。
得体の知れない事態に恐怖を感じ、私の心臓は内側から激しく胸を叩き始め、指先は自己嫌悪を通り越す程に哀れな震え、いや、発作を起こしていた。
ゲームを放棄して道木に返してもよかった。
しかし既に個人情報は引き出されている。そしてそれは道木も周知の事だろう。なにらかの意図があるにしても、一歩踏み出してしまった以上、もう少し進めて輪郭をつかんでおく必要が私にはあった。
このソフトの正体を知る為に私は恐る恐る自分の名前の主人公を動かしてみた。
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