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汚染 122

[110]  ふく  2009-05-09投稿
いつもの散歩コース
いつもの公園
『昨日抱き締められなかったから』と言って息が詰まる位に抱き締められた
耳元で『愛してるよ』と言われた
初めて貴方の口から聞いた言葉
心の底から嬉しいはずなのに何故か悲しくなって
貴方の肩越しに見える景色が涙で滲んだ
ただ涙が零れない様に必死で耐えた

『ありがとう』しか言えない
『愛してる』は言えない
言いたいのに言えないのは
自分の中の何かが壊れてしまう気がしたから
欲しい物はどうしたって手に入らない
望まれた時にだけ繋がれて
自分の欲望を押し殺してじっと次を待つだけ
今の私の我慢がその言葉一つで爆発しそうになるから

時間を気にする事が辛い
『もう遅いから』と立ち上がる私の腕を掴んだ
『ねぇ』
そう言った時の貴方の目に映る感情を読み取る
会えなかった何日間
良く耐えた
貴方が何を思っているかは分かっている
だからただ頭を振った
『朝まで一緒にいて、無理は言わないけど』
そう言って体を抱き締める強さに負けた
悲しみに堕ちて行く事は分かっている
だけど貴方の望みを叶えてあげたい
愛おしく想い
側にいて欲しいと思うよりも
今は側にいてあげたいと思う

貴方の頬に手を置いて頷いた
安心した様な表情に貴方の弱さを見た
その瞬間
朝まで過ごせる喜びというよりも
終わりが近付く様な感覚に襲われた

その恐怖がただの勘違いであって欲しい
どうしてなのかは分からない
繋がれた手にいつもの様な幸せを感じれなかった

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