ギャラクシーラリー70
「それは…」美穂は言葉を選んで慎重に言った。
「科学も、宗教も、哲学も武道も、文学も…とにかくどんな事でも究極の形は同じだ、って事かな」
伝わるかな。美穂は心配になってきた。遼一さんの持論が曲解されなきゃいいけど…。
「ふうん…持論っていわれた?」
「ええと…。うん。これは、あくまで私見だと、前置きされたと思う」
「なるほど…。その究極の形は教えてもらった?」
「うん。答えはもらった」
「当ててみせようか…」チラリと遼一を見てシンジが言った。
「分かる?」美穂は、自分が考えた訳でもないのに、なぜか得意気に聞いた。自分でもよくわからなかったが…。なぜか誇らしかった。
「愛…だろう?いや、宇宙と融合…かな」シンジが言った。
美穂は心底驚いた。開いた口が塞がらない。その口に手を当てて言った。
「何で分かるのよ…。遼一さん…宇宙との一体化だって…。コレは誰でも皆、考える事なの?」
「いやぁ…。たぶんあまりそこまで考える人はいないと思うよ。何の役にも立たないから。腹が減るだけだよ。ただエセ霊能者や三流宗教家や学校の先生には、辿り着けない境地だね」シンジが笑った。
「愛かぁ…。宇宙との一体化は愛なの?」
「真理かな…。簡単に言えば…真実は一つ、かな」
「それなら分かる!」美穂は、少年探偵が活躍するマンガを連想した。オタク回路始動である。
「シンジ君、戦闘力がある方の兄さん、女の子好き?」遼一が思考から現実に戻って聞いた。
「そりゃ男ですから…」
「義侠心は強い?」
「ええ。正義感は特に」
その時、全員の携帯が鳴った。メールだ。ギャラクシーラリーからだった。
<最初のゴール地点はFタワー>
遼一とシンジは同時に思考を始めた。
シンジは直ぐに計算が終わり、遼一を待った。
「シンジ君…。兄さん達、二人に伝えてくれないか…。特に発想力のある方に。暴走族と走り屋の両方に、ここの峠が心霊スポットなのは金持ちのせいだって、デマを流して欲しい…」
遼一が言った。
「なるほど…。心霊スポットを使う手があったか!大丈夫。ヒカル兄は、話術がスゴく上手いんです」
「問題はストレスがピークに達した時に、一線を越える決定打だな。しかも、それが戦闘力がある方を刺激すれば尚良し」
「きっかけを仕掛けるんですね。目立たないようにやらないと…」
「二人とも、一体…何者?」美穂は真剣に訊いた。
「科学も、宗教も、哲学も武道も、文学も…とにかくどんな事でも究極の形は同じだ、って事かな」
伝わるかな。美穂は心配になってきた。遼一さんの持論が曲解されなきゃいいけど…。
「ふうん…持論っていわれた?」
「ええと…。うん。これは、あくまで私見だと、前置きされたと思う」
「なるほど…。その究極の形は教えてもらった?」
「うん。答えはもらった」
「当ててみせようか…」チラリと遼一を見てシンジが言った。
「分かる?」美穂は、自分が考えた訳でもないのに、なぜか得意気に聞いた。自分でもよくわからなかったが…。なぜか誇らしかった。
「愛…だろう?いや、宇宙と融合…かな」シンジが言った。
美穂は心底驚いた。開いた口が塞がらない。その口に手を当てて言った。
「何で分かるのよ…。遼一さん…宇宙との一体化だって…。コレは誰でも皆、考える事なの?」
「いやぁ…。たぶんあまりそこまで考える人はいないと思うよ。何の役にも立たないから。腹が減るだけだよ。ただエセ霊能者や三流宗教家や学校の先生には、辿り着けない境地だね」シンジが笑った。
「愛かぁ…。宇宙との一体化は愛なの?」
「真理かな…。簡単に言えば…真実は一つ、かな」
「それなら分かる!」美穂は、少年探偵が活躍するマンガを連想した。オタク回路始動である。
「シンジ君、戦闘力がある方の兄さん、女の子好き?」遼一が思考から現実に戻って聞いた。
「そりゃ男ですから…」
「義侠心は強い?」
「ええ。正義感は特に」
その時、全員の携帯が鳴った。メールだ。ギャラクシーラリーからだった。
<最初のゴール地点はFタワー>
遼一とシンジは同時に思考を始めた。
シンジは直ぐに計算が終わり、遼一を待った。
「シンジ君…。兄さん達、二人に伝えてくれないか…。特に発想力のある方に。暴走族と走り屋の両方に、ここの峠が心霊スポットなのは金持ちのせいだって、デマを流して欲しい…」
遼一が言った。
「なるほど…。心霊スポットを使う手があったか!大丈夫。ヒカル兄は、話術がスゴく上手いんです」
「問題はストレスがピークに達した時に、一線を越える決定打だな。しかも、それが戦闘力がある方を刺激すれば尚良し」
「きっかけを仕掛けるんですね。目立たないようにやらないと…」
「二人とも、一体…何者?」美穂は真剣に訊いた。
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