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黒木両の物語-3-

[401]  ★ホトケノザ☆  2006-07-14投稿
少女は髪を紫色に光らせながら、さっきのぽわぽわ〜とした顔よりうって変わって、真剣見がある大人っぽい顔つきを見せてきた。
「大丈夫よ。別に間違って貴方を異空間になんかに連れてったりしないわ。私の?てれぽーと?は、この国では一番の安全性なんだから!!!」少女がどう見てもまったく無い胸をこれでもかッと張り、手を腰に置き頭を高く上にあげ、高笑いをするようなポーズをしながら自慢ばなしを披露。
……意味が分からず呆気に取られる俺。
何も反応が無いのが気になったのか、少女は天井に向けていた目線を俺に戻した。
……何度目かの沈黙。
今度は少女も気にする様な顔をして、うろたえている。
…何か小声でブツブツ言っていた。良く聞き取れなかったので、少し耳を傾けると『何で驚かないのー…』とか聞こえた。髪から出ている紫色の光が、チッカチッカと点滅している。
…なんか可愛そうだと思い、今更ながら少し驚いたフリ(実際驚いたのだが)をした。
顔を驚愕の表情にし、一歩足を下げ、すっとんきょーな声を上げる。
「す……すごいっすねぇ――!!お、俺!!マヂで感動しましたッ!!本当に!!」
少しわざとっぽい感じはしたが、大丈夫かなと少女に目線をやった。
少女はみるみる嬉しそうな表情になった。そして何故か髪の点滅は止まり、光は出なくなっている。
「や、やっぱりそう思いますよね〜!!…そうですよ〜この国ではそうそう?テレポート?なんて出来る人はいませんから〜。はい〜。」
嬉しそうに喋る少女。
…何度も気にはなっているのだが、何で俺の家に不思議ちゃんが来たのだ?それはもちろん俺を学校に連れていくためだと分かっているが…学校はこういう変な人がいっぱいいるのかな…。
「あのー…、つかぬ事を聞きますが…!!…ヤッパリなんでもない」
途中で話をきる俺。
…明らかな年下な少女に敬語を使っているのが急にムカついてきたのだ。
少女は拍子抜けした表情になり、それから頬をぷくっ膨らませて「話を途中で止めるなんて失礼ですよ〜!!ぷんぷん!!」とか言ってきた。
俺は少々イラついた声でこう言った。
「さっきから思ってたんだけど……あんた誰?」
少しの間。
「あんた誰って……君は黒木両君でしょ〜?違うの〜?」「そうだけど」
かんぱつ入れづ即答する。少女は人指し指を顎に置き困った顔をした。
「あれ〜?オジイチャンは大丈夫だって言ったのに〜」

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