忘れられないあなたを?
「すご〜い!!」 「やろ?」 ワンルームの狭い部屋の中には、モミの木、飾られた電球、サンタののったでかいケーキ、キャンドルなどがひしめきあっていた。 「一人で用意したの?」 「あたりまえやんか。一人で用意してお前がくるのまってたんや。」 ズキンと心が痛んだ。隆二の深い愛に気付いてあげられなくてごめん。一人でスネてたのを後悔した。 「ケーキ食べよ!」 そう言いながら隆二はドンペリを持ってきた。 部屋を暗くして、キャンドルに火をともし、乾杯した。 最高の夜だった。今までで一番のクリスマス。 「結婚しような。」 隆二はにこっとしてキスしてくれた。 朝、目が覚めると枕元に小さなプレゼントが置いてあった。開けて見てみると、ティファニーのペアリングが入っていた。 あたしは感激してそれを抱え込み、自然と流れる涙を拭きながら隆二の方を見た。隆二はぐぅぐぅ寝ている。かわいい寝顔にキスをして、あたしは左手の薬指に指輪をはめた。もう一つの指輪は隆二の左の薬指へ。
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