君からの手紙?
「それと…」
紀子はさらに続けた。
「多分、彼の情熱に私自身、ひかれていたのかもしれません…」
だからこそ、彼から受け継いだ手紙をすぐに渡さずに、約束を守るために、紀子は、看護士を辞めてしまった。
「看護士を辞めること、後悔しなかった?」
「憧れて、なった職業でしたからね…それだけ彼から受けた情熱にひかれてたんです…だから私自身悲しかった…それに彼女に伝えるのも怖かったんです…情けないですよね?」
「そんなことないよ。俺だって同じようなもんだよ」
「同じ?」
嶋野は、素直に、自分に東京に来た理由を話してくれた紀子に感謝していた。
自分が東京に来た目的を、「旅行」としか、会社の人間には言ってない。
逆に、知られたくなかった。
だが、紀子は自分に堂々と話してくれた。
「森田さん、ありがとう。辛い過去なのに、話してくれて…俺も話すよ」
嶋野は、自分の辛い過去を話したことはないが、紀子だったら話せるような気がした。
「実は俺、妹を亡くしてるんだ。15年前に…」
「え?妹さんを」
「ああ…。君がひかれていた彼と同じガンでね」
「そんな…」と言った後、紀子は絶句した。
「神を恨んだよ。『なんで妹なんだよ!不公平だ』って。
…でも、妹の願いでね…。君と同じように、彼の前から姿を消したんだ」
「そうだったんですか…すみません。そんな過去があるのに手伝わせるようなことして…」
悲しそうな顔をする紀子を見て、嶋野は首を横に振った。
「偶然だよね。俺は15年だけど、託された手紙を渡しに来たんだ。喜んで手伝わせてもらうよ」
「いいんですか?なんか、申し訳なくて…」
嶋野は、また首を横に振った。
「いいって。それに…」
「それに?」
「その人が、今幸せに暮らしているかどうか見届けたいしね」
「なるほど…でも怖いですよ。私2年間も、彼の願いとはいえ、手紙の存在を隠してたんですから…きっと責められるでしょうね…」
「それを覚悟で来たんだろ?俺だってそうだよ」
「そう…ですよね
嶋野さん、ありがとうございます。私逃げません。彼との約束果たします」
「うん。そうしよう」
それから、2人はどうするか話しあって、解散した。
紀子はさらに続けた。
「多分、彼の情熱に私自身、ひかれていたのかもしれません…」
だからこそ、彼から受け継いだ手紙をすぐに渡さずに、約束を守るために、紀子は、看護士を辞めてしまった。
「看護士を辞めること、後悔しなかった?」
「憧れて、なった職業でしたからね…それだけ彼から受けた情熱にひかれてたんです…だから私自身悲しかった…それに彼女に伝えるのも怖かったんです…情けないですよね?」
「そんなことないよ。俺だって同じようなもんだよ」
「同じ?」
嶋野は、素直に、自分に東京に来た理由を話してくれた紀子に感謝していた。
自分が東京に来た目的を、「旅行」としか、会社の人間には言ってない。
逆に、知られたくなかった。
だが、紀子は自分に堂々と話してくれた。
「森田さん、ありがとう。辛い過去なのに、話してくれて…俺も話すよ」
嶋野は、自分の辛い過去を話したことはないが、紀子だったら話せるような気がした。
「実は俺、妹を亡くしてるんだ。15年前に…」
「え?妹さんを」
「ああ…。君がひかれていた彼と同じガンでね」
「そんな…」と言った後、紀子は絶句した。
「神を恨んだよ。『なんで妹なんだよ!不公平だ』って。
…でも、妹の願いでね…。君と同じように、彼の前から姿を消したんだ」
「そうだったんですか…すみません。そんな過去があるのに手伝わせるようなことして…」
悲しそうな顔をする紀子を見て、嶋野は首を横に振った。
「偶然だよね。俺は15年だけど、託された手紙を渡しに来たんだ。喜んで手伝わせてもらうよ」
「いいんですか?なんか、申し訳なくて…」
嶋野は、また首を横に振った。
「いいって。それに…」
「それに?」
「その人が、今幸せに暮らしているかどうか見届けたいしね」
「なるほど…でも怖いですよ。私2年間も、彼の願いとはいえ、手紙の存在を隠してたんですから…きっと責められるでしょうね…」
「それを覚悟で来たんだろ?俺だってそうだよ」
「そう…ですよね
嶋野さん、ありがとうございます。私逃げません。彼との約束果たします」
「うん。そうしよう」
それから、2人はどうするか話しあって、解散した。
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