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時と空の唄14-2

[305]  花神ミライ  2009-05-17投稿

「さて、次に俺たちがやることは?」
「【三種の神器】を封印…」
「待って。」
ランスォールの言葉を遮りシーラが言った。
「どうしたんですか?」
「こんな事…みんなに頼むのはおかしいってわかってる。
でも、でもね。」
そこまで言ってシーラは俯いてしまった。
彼女の言いたいことは大体見当がついている。
「それでもやっぱり…あの人は私の、たった一人の家族だからっ!
出来るなら、救ってあげたい。
もう一度チャンスをあげたいの!!」


私が、彼らに救われたように。
彼らが私に、チャンスをくれたように。


「シーラ…」
お願い、と消えそうな声でもう一度呟いた。
「わかった。
これは親子の問題だ。
オレたちに出来るのはこれくらいの手伝いしかないからな。」
「ランス…ありがとう、ありがとう…」
シーラは俯いたまま、ランスォールの手を握って何度もありがとうと繰り返した。


そしてそれから、祭壇の間にカロウドが現れたのは間もなくのことだった。
「…父さん。
最後のお願いよ。
罪を、償いましょう?
私も、私も一緒に償うからッ!!」
「シーラ…」
そう言ってシーラを見つめるカロウドの瞳は驚くほど優しかった。
そんなカロウドにシーラは安堵の表情を浮かべる。
「父さん…」

ああ、わかってくれたのね…

しかし、すぐにその認識が間違いであったと気付く。
「そいつらに唆されたか。
可哀想に。不老不死も失って。」
「とう、さん…?」
「シーラ、やっぱりもうダメだ!
力ずくで止めよう!」
後ろでランスォールの叫ぶ声が聞こえる。
「で、も…」
「先にカロウドの呪いを解くんだ!」
「…わかったわ……」
シーラは辛そうに顔を歪めて頷いた。

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