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○あなたの隣に○ No.10

[364]  スミカ。  2006-07-15投稿
3.さようなら
隆史と別れてから3ヶ月が過ぎたある日。奈々美の元へ1通のメールが届いた。
―話したいことがある。いつもよく2人で遊んだ公園へ来てください。―\r
隆史からのメールだった。―わかった―\r

奈々美は公園へ向かった。複雑な気持ちだった。

泣いているだけじゃだめなんだってコーチが教えてくれた。
隆史の話を聞こう。泣いちゃうかもしれないけど、それでも聞こう。
それから、今日は自分からさようならって言おう。でも泣かないよ。
笑ってさようならがしたい。そう決めた。

奈々美が公園へ行くと隆史がいた。
久しぶりの私服姿。奈々美の緊張は止まらなかった。
「奈々美、ごめんね、呼び出して。」
「うぅん。。久しぶり!」
奈々美はできるだけ笑顔で振舞った…つもりだった。
「奈々美、俺ね。この前部活帰りに奈々美を待ってたじゃんね。奈々美、コーチと帰っちゃったけど。」
「うん…」
「あれから少し考えたんだ。奈々美のこと傷つけたから、もう奈々美とは関わらないようにしようって思ってた。けど…」
隆史は一瞬、間をおいてから、また話し始めた。
「けど、好きなんだよ、やっぱり。別れたくなかった。」
「どういう意味…?」
「実はさぁ…」
「奈々美、自分でも気がついてないかもしれないけど、奈々美と俺が付き合ってるのを嫌がる連中が、奈々美のこと盗撮したりしてたんだよ・・」
隆史は事情を全て話した。全て話し終わった後、数分沈黙が続いた。
「で、俺が言いたいことは…やり直して欲しい。どんなことがあろうと、もう別れようなんていわない。俺が奈々美を守るから。もぅ一度付き合ってください。」
奈々美はしばらく顔をあげられなかった。急に、そんな理由があったっていわれても。。奈々美は思うことがたくさんあった。
<つづく>

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