○あなたの隣に○ No.15
「何の話・・・?」
三宅コーチは奈々美の言っている意味が分からなかった。
「この前、見ちゃったよ。日曜日にコーチが彼女と歩いてるの。ショッピングモールで。。」
「はぃ…?あぁ、ハハハハ」
なぜかコーチが笑い出した。それからコーチは少し考えたような顔をしてから言った。
「そっかぁ、俺に彼女がいたから、行くなって言ったの?」
「そうだよ!!」
「本気にさせないでってどういうこと??」
コーチは少し笑って言った。
「笑わないでよ!!!だから…真剣にコーチのこと好きなのに、奈々美が行くからって言って中途半端に行くっていって期待させないでってことだよ!!!!」
えっっ…今、奈々美なんて??真剣に…好きって??
「好き??真剣に??誰が誰を?」
コーチは奈々美を試すように言っていた。
「奈々美がコーチを。。」
なぜだろう。どうして口からこんな言葉がこぼれるのだろう。
言っちゃだめなのに。傷つくだけなのに。だめだよ…だめ…
その瞬間、コーチは奈々美を抱き締めた。
「今年のクリスマスは二人でいよう。。」
「うそ…うそだよね?彼女?彼女は!!!?」
「何勘違いしてんだよ。ねぇちゃんだよ。ちゃんと確認してから言えよな。」
コーチは少し笑いながら奈々美に言った。
ねぇ、神様。この幸せは、逃げないよね?
隆史の時みたいに、もう逃げないよね?
ずっとずっとコーチと一緒にいられるよね?
もぅいじわるしないでね?
「ねぇ、三宅コーチ…」
「違うよ。俺の下の名前は健二。」
健二…。
<つづく>
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