S,D,W 2
…………
また、あの時の夢を見ていた。
「あれから、七年かぁ〜長いようであっという間に過ぎちゃったなぁ…」
布団から上半身を起こした状態で七年前の事を思い出していた。
そんな風に思い出に浸っていると
「ちょっと!いつまで寝てんのよ!」
っと部屋のドアを壊し…て…?
「ちょ、ちょっと待て!シナ!何壊してんだよ!」
壊れて倒れたドアの上に一人の少女が居た
勝ち気な眼
整った顔立ち
美少女と呼んでも誰もが認めるほどの美しさ。
そして、何よりも少女の腰まである長く綺麗なクリーム色の髪が
とても
印象的な少女だ
「仕方ないじゃない」
シナはそう言うと踏んでいたドアから降り
未だに布団の中から上半身だけを起こしている俺のとこまで来た。
あれ、そう言えばシナとはいつ会ったんだ
俺はふと思った
他人が聞いたら
何言ってんだ?
と、思われるだろうが
あれ、本当にいつ、どこで、俺はシナと出会った?
今更、本当今更だけど、
考えた。俺は、思い出そうとした。
一年前は、居た
二年前も、居た
三年、四年、五年前も確かに居た
だけど
六年前は
……
思い出せなかった。
思いだそうとすると、異常に頭が痛くなる…
六年前の記憶を思い出すのを拒むみたいに。
「………」
俯いてた俺の顔をのぞき込むみながら手を振って何かを言ってるシナが視界に居た。
「なにしてる…」
シナから顔そらしながら言った。
「やっと、反応した」
前屈み状態から、起き上がりいつものポーズ。
腰に手を着けた状態になっていた。
「どうしたの?起きて早々そんな暗い顔して」
シナにそんな事を言われた。
「なんか、悩み事?」
勝ち気な眼を少し落としていた
シナに、お前といつ会ったか、なんて…
本人に聞けるわけ無いだろ
「何言ってんだよ、お前の気のせいだって!」
と、出来るだけ明るく言った。
それでも、何かを言おうとしてたシナを
「いつまでもこの格好で居るわけにもいかないだろ?」
俺は、寝間着姿の自分を指し遮るように言った
「だから、ほら!出てった!出てった!」
手を振っていった
「うん、わかった…」
部屋から出て行こうとしてたシナが途中で止まり
「でも、悩み事あるんなら一人で悩んでないで相談してよ?」
背中を向けたままシナは言った
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