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あたし達のはじまり

[446]  かおる  2009-05-23投稿
第一章わたし達のはじまり
家の中にオレンジ色の光が差し込む。今は夏。
なのにこの静けさは
なんだろう?それに
こんなしんみりしたのも
久しぶり。
ところではじめまして。
私は神谷ゆか。今は
私立の指折りおじょーさま学校に通ってる。
はっきり言って性に
会わない。お父さんにも
お母さんにも合わせてきた。ドレスみたいな
だっさい服も着た。
だけど、もう限界。
…そんな時に「むう」に
会った。あの娘は本当に
不思議な子だった。

チャイムが鳴った。
「地獄」が始まる。
ほら、もう女子達が
あんなところで群れて
いる。
「あら、真澄さん
ごきげんよう。昨日は
どこで会食なさったの?」
「あら、やっぱり由宇さん、フランス料理
でしょう?昨日は
ミシュランの5つ星
レストランで会食
しましたわ。夜景も
見れましたわよ。」
「まあ、すごいですわねえ。私は昨日急いで北京
に行ってサルの悩みそ
スープとつばめの巣を
頂きましたわ。」
「あら、なんで北京に
行ったのかしら?」
「なぜか中国のお料理が
食べたくなりましたの。」
「まあ。」そして優雅に
オホホ…という笑い。
こいつらの口調はまるで、天使みたいだ。だけど、言葉の裏には悪意。
対抗心。憎悪。その他
もろもろ渦まいている。
こいつらの会話を聞く
だけで私は頭がズキズキ
と痛む。
私が思わずため息を
ついた時、水色の風が
ふいたような気がした。
すると、突然冷たい手が
私のおでこに当てられた。全てが取れていくよう
だった。悪意も苛立ちも
消えていくようだった。
「神谷さん大丈夫?」
そう言うと彼女は…

つづく

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