携帯小説!(PC版)

トップページ >> その他 >> 君からの手紙〜22〜

君からの手紙〜22〜

[495]  YOSI  2009-05-24投稿
「佐野さん何?もうすぐ売場いくけど。何かあった?」
「荒木さん、あの夕樹さん、凄いわ」
「どうしたの?」
何かやらかしたのか?と心配になったが、佐野は感心して言った。
「外国人のお客様が来てね。みんな四苦八苦してたんだけど、対処してくれたのよ。英語ペラペラだし」
「へえ〜。アルバイトにも何人か喋れるのいるけどね」
「あの人のは本格的よ。人当たりも良さそうだし」
「それは、頼りになるね」
「店長も礼を言ってたわよ…でもね、一瞬寂しそうな顔をしたのよね」
「寂しそうな?」
「ええ」
「気のせいじゃない?」
「そうかなあ…」
「とりあえず売場行こう」
勇一は首をひねる佐野を引っ張って、売場へ向かった。
ー先ほどの処理に感心した石田が、幸子に話しかけた。
「さっきはびっくりしたよ。英語ペラペラなんだね」
「いえ、でしゃばった真似して…すみません」
「とんでもない。みんな誉めてたよ。凄い戦力だって。なんかやってたの?」
「ええ。少し」
「そう。何を?」
「それは…」
幸子の曇った表情を見た石田は、あわてて、聞くのを止めた。
「ごめん。あまり深く聞かない方が良さそうだね?」
「すみません」
幸子は深々と頭を下げた。
「いやいや、こちらこそごめんなさい。話したくないこと誰にでもあるし…」
「あの…石田さん、石田さんはパートさんてお聞きしたんですが…」
「ああ…荒木さんくらいなのに、社員じゃないからでしょう?」
「すみません。私と同じように、話したくないですよね」
「ごめん。お互い様だよね。まあ社会人はやってたんだけどね…そうゆうことにしといて」
「はい。すみません」
「じゃあ、引き続き仕事しようか?」
「はい」
お互い、申し訳ない思いがあるものの、引いてみた。
だが、石田にしても、幸子にしても、お互いの過去が、思わぬ形でつながっているとは、この時は知る由もなかった。 そして、幸子の運命と勇一の運命が繋がることは、この時誰も知る由がなかった。

感想

感想はありません。

「 YOSI 」の携帯小説

その他の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス