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君からの手紙〜23〜

[483]  YOSI  2009-05-26投稿
「秀さん!おはようございます」
「おう!おはよ」
「例の曲、アーティストの事務所まわって、歌ってもらえる人探してるんですが、なかなか…」
「だろ?イメージ的に、悲しい歌だからなあ…似てるイメージの作品もあるしなあ…」
奥村は、この2ヵ月間、休みもほとんど取らずに、ある曲の営業をしていた。 「あの…秀さん。この曲で、プロ目指そうって気はなかったんですか?」
そう、奥村とゆう男が、熱を入れているこの曲は、先輩である「秀」とゆう男が、作った曲だ。
昼休みに一人で口ずさんでいた曲を、たまたま耳にしていたのだ。
「正直、感動したんスよ。オーディションとか、受けなかったんですか?」
「デモテープは送ったことあるよ。十年以上前にね。なんも感触なかったよ」 「秀さんが、このレコード会社に入った理由ってなんですか?」
「俺か?まあ、いい曲を発掘したいと思ったからかな。でもなかなかな…売れなきゃ会社の人間は生活出来ない。思うようにいかないよ」
「俺も同じスよ。例え怒られても、心底感動する曲だったら、みんなに知ってもらいたいですよ」
「俺もストリートで歌ったことあるけどな…」
「残念スよ。その時に秀さんに会ってれば、きっとみんなに、もっと聞いてもらいたいって、言ってましたよ」
「ありがとな。…でも、お前、あまり無理するなよ」
「はい!」と奥村が言ったと同時に、奥村は倒れてしまった。
「おい!奥村大丈夫か!おい奥村!」
秀は、あわてて救急車を呼んだ。
ー3日後、一週間安静と言われた奥村を、秀が見舞った。
「ああ、秀さん、わざわざすみませんね。情けないです。こんな時に…」
「何言ってんだよ。お前無理し過ぎだよ。とにかくゆっくり休め。で、どうだったんだ。検査の結果は?」
秀がその質問をすると、突然奥村の顔が曇った。
「おい!奥村どうした。過労だろ?」
「先輩…隠してもいずれわかるんで、話します。昨日、家の親が先生に呼ばれましてね…俺のところに来たら、様子おかしかったんで、問い詰めました…」
「え?どうゆうことだよ」
次の奥村の言葉は、秀にとって、衝撃的な一言だった。
「俺、ガンなんです。それももう助からないらしい…」
それを聞いて、秀は絶句してしまった

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