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desteny??

[375]  meeco  2009-05-26投稿
眠りに落ちて、どれ位経ったのだろうか―\r

私は、夢を見た―\r

笑顔の淳が、遥か彼方向こうに、両手を伸ばして、立って居た。

「香里、こっちへ来いよ!」

淳は、大声で、こちらに向かって叫んでいた。

私は、必死に両手を伸ばし、淳に掛け寄ろうとした。
脚は、鉛の様に重く、歩こうとしても、全く歩を進める事が出来なかった。水中でもがいて、溺れた時の様に、私は、その場から、動け無かった。

その時、何処からとも無く、一年前、淳のイベントで逢ったあの彼女が現れ、私の目の前で悠々と淳に近付き、抱き付いた。

淳も、彼女を抱き締め、二人共、私の前から忽然と消えた。

直ぐ後、今度は、複雑な表情の麗華が、淳が居た同じ場所に立って居た。

「麗華!!!」

思いっ切り、私は叫んだ―\r
麗華には、聞こえていない様だった。また、次の瞬間、何処からとも無く、中川がすっと現れ、麗華を抱き締めた。

麗華は、私を、憎しみとも取れる様な表情で、睨み付けた。
「麗華、愛してるよ・・・。」
そう言って、中川は、麗華をきつく抱き締めると、後ろを振り返り、私に意味深な笑みを投げ掛け、瞬間、二人も、淳と彼女と同じく、消えて行った―\r

眠りが、一気に浅くなり、寒さと震えで、目が覚めた―\r
身体は、寒さで震え、土と草の匂いがし、冷え切った空気を感じた。

「大丈夫ですか?どうしました?」

男性の声で、夢から、急に現実に引き戻された。

恐る恐る、薄目を開けると、子犬を連れた、四十代前半の男性が、地面に横になっている私の顔を覗き込んでいた。

自分の置かれて居る、状況を理解するのに、数十秒、時間が掛った。

着ていた服は、中川に鋏で切り裂かれた筈―\r

見た事も無い、小花柄のネグリジェを着ていた。下着は、着けて居る感覚が無かった。脇を見ると、持っていた鞄が有った。

「だ、大丈夫ですから・・・。」

急に怖くなり、フラフラしながら、立ち上がった。

「そう?ですか・・・。歩ける?」

「何とも・・・、無いです。」
無理矢理、立ち上がって周りを見渡したが、何処にも、深夜見た、中川も、あの邸宅も、見当たら無かった。

男性は、不審がりながらも、立ち上がった私を確認し、子犬と共に去って行った。
「此処は、何処なの?」

私は、林道の脇に寝かされていた。

抜け道なのか、直ぐ横の道路は、車が引っきり無しに通っていた。

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