携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> Sleeping lion

Sleeping lion

[162]  ひつじ  2009-05-27投稿
「ジュワー、カチャカチャ」

妻の朝食を作る音で、我が家の住人は目を覚ます。
いつもと変わらない一日の始まりだ。

カカア天下で有名な土地柄とは裏腹に、我が家は亭主関白であると思っている。

妻と連れ添い20年、ごく普通なサラリーマンの私と、高校生と中学生の子供が居る一般的な家庭だ。


寒さも厳しくなった12月の深夜に、トイレに行こうと布団から出ると、隣に寝ているはずの妻の姿が見当たらない。

「あれっ?!トイレかな?」と廊下を歩いて行くと、深夜にもかかわらず居間の電気が点きっぱなしだった。
「もしや、泥棒か!?」と、居間の扉を少し開けて覗くと、そこにはコタツで何やらやっている妻…

私は、妻に声も掛けずに用すませて また寝てしまった。

次の日の深夜も、また次の日も、妻の謎の夜更かしは続いた。

怪しすぎる妻の行動に、ついに私は… 「何をコソコソとやってるんだ!」 と爆発してしまった。
妻は怯えながらも、珍しく「観たい深夜番組があるの!」と逆ギレした。

それ以来、どことなくギクシャクとした日々を過ごしていた異常な程寒い朝、 いつもの様に弁当を持ち、玄関でを出ようとした時、
「ちょっと待って」と、妻が駆け寄って来て 私の首に手網のマフラーを巻いた。

妻の夜更かしの理由がすぐにわかり、申し訳ない気持ちで一杯だったが、知らないふりをして
「こんなのいつ作ったんだよ」と訪ねると、

妻は、「ライオンが寝てる間にね!♪」と
ペロッと舌を出して微笑んだ。


20年分のクリスマスプレゼントを貰った…

感想

感想はありません。

「 ひつじ 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス