君は太陽 僕は月 5
駅前の居酒屋に着くと、馴染みの顔が今日の主役を待っていた。
「涼、お疲れ」「遅いぞ、涼」「待ってました」みんなの声が涼に向けられた。
「どうしたんだ、その花?」孝介が涼の持っている花束を指して言った。
「貰ったんだ」涼は、照れた様子もなく言った。
「こいつ、凄いんだぜ。なんか可愛い高校生ぐらいの女の子から、、」
「隆司!」涼は隆司の言葉を強い口調で遮った。
「ごめん、、」隆司が下を向く。
その場が一瞬、静まり返った。
「みんな、ごめん」涼は友人を見渡し続けた。「いつも、来てくれてありがとう」
「なんだよ涼。らしくなぞ。なんかあったか?」孝介が心配気に言う。
涼の脳裏には、ライブハウスのオーナー上田さんの言葉があった。
しかし、それを打ち消したのは隆司だった。
「唄い人、嵐田涼。ただいま参上」隆司がわざとふざけた。
「ばーか。隆司」みんなの野次が飛んだ。
涼、これでいいんだ。ありがとう隆司と心の中で呟いた。
感想
- 21888: 自演乙(´ω`) [2011-01-16]