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あなたを待つ

[264]  今井将磨  2009-05-28投稿
私は待つ。

あなたを待つ。

私の名前は加藤奈津美。

年齢は28歳、普通のOL。

でも私は

あなたを待ってるから

私自身を特別に思える。

あなたはあの日、突然、煙のように消えた。

信じられないことに私は動揺しなかった。

まるで予期していたみたいに。

あなたとは学生のころから、七年付き合ってたのに。

あれから一年になる。

他の男の子を紹介してくれる親切な友達もいる。

でも全く関心が沸かない。

誤解しないでほしい。

私は不幸な女ではない。

友達もたくさんいる。

仕事も順調。

来月から主任だ。

女性では大分早い出世らしい。

だから人生にまずまず満足している。

「奈津美には、後、男がいれば完璧なのに。」

親友のミカの最近の口癖。

ミカは月に一度、男が替わる女だが、イイヤツだと私は思う。

私は待つ。

あなたを待つ。

透き通るような青空の日にあなたから電話がかかってくるだろう。

「もしもし、ごめん。

今まで冒険してたんだ。

冒険って?それはもちろん人生の冒険さ。

奈津美、待たせたね。

奈津美もずいぶん大人になったんじゃないか?

久しぶりだから、奈津美をみつけられるかな?

でも大丈夫だよ。

俺は奈津美のこと、わかってるから。

奈津美だってそうだろ?

本当に待たせたね。

今度の週末、食事に行こう。

罪滅ぼしに俺がおごるから。

奈津美が好きなイタリアンでいいよな?

うまい店探しておくからさ。」


私は待つ。

あなたを待つ。

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