君からの手紙〜25〜
「なあ、由美本当にいいのか?」
「うん、もう決めたことだから…でもごめんね。お兄ちゃん、私1人で良かったんだよ。実家に帰るの…」
「いいさ。もともと、北海道の人間だし、なんとか向こうで職も見つけたし」
由美は、自分の決断が正しかったのか、この何日間、自問自答していた。
それでも、勇一の悲しい顔は見たくなかった。
恨まれたっていい、自分の体が弱くなる前に、去っていこうと決めた。
そして、3通の手紙をしたためて、東京を去っていくことも決めた。
…もう一つ、気になっていたことがあった。
自分がガンであることがわかって、勇一と、最後のデートで、ストリートライブで聞いた曲…
悲しげな曲だった
何とゆう曲なんだろう。
「ただ…ありがとう ただ幸せでした」とゆうフレーズで終わるのだが、その歌を歌っていた男は、タイトルをゆうこともなく、顔も帽子をかぶり、サングラスをかけていた。
そのことも手紙に書いておこう…
「お兄ちゃん、お願いがあるんだ」
「ん?何?」
「私ね…3通の手紙を書いたんだ…」
「ああ」
「もし…もしだよ
15年後、お兄ちゃんが忘れてなかったら、この手紙を勇一に届けて欲しい」
「15年後?なんでそんなに経ってからなんだ?」
「きっと、その時には勇一も幸せになってると思う…その時なら、勇一を苦しめないかなって…」
そうだろうか?
実際、由美の病気がわかってから、何度、勇一に言うか迷っていた。
だが、由美は自分がガンとわかってから、頑なに、嶋野に口止めをし、勇一に知られないようにしていた。
「わかった…。」
嶋野は妹の願いを聞き入れた。
「そうだ…お兄ちゃん。聞きたいことがあったんだけど」
「何?」
「お兄ちゃん、好きな人いなかった?会社に」
「いたよ」
「いいの?何も言わなくて」
「俺の片思いだしさ。もう未練はないよ」
「本当に?」
「ああ…それに、最後まで、お前の病気と戦うよ。いや、戦わせてくれ」
嶋野のその言葉に、嬉しさと兄に対する申し訳なさで泣きだした。
「ごめんね…お兄ちゃん、本当にごめん」
「いいよ」
翌日、2人は大家に挨拶を済ませ、由美は勇一への思いを残し、嶋野は様々な思いを胸に東京を去っていった。
数カ月後、由美は、この世を去った
「うん、もう決めたことだから…でもごめんね。お兄ちゃん、私1人で良かったんだよ。実家に帰るの…」
「いいさ。もともと、北海道の人間だし、なんとか向こうで職も見つけたし」
由美は、自分の決断が正しかったのか、この何日間、自問自答していた。
それでも、勇一の悲しい顔は見たくなかった。
恨まれたっていい、自分の体が弱くなる前に、去っていこうと決めた。
そして、3通の手紙をしたためて、東京を去っていくことも決めた。
…もう一つ、気になっていたことがあった。
自分がガンであることがわかって、勇一と、最後のデートで、ストリートライブで聞いた曲…
悲しげな曲だった
何とゆう曲なんだろう。
「ただ…ありがとう ただ幸せでした」とゆうフレーズで終わるのだが、その歌を歌っていた男は、タイトルをゆうこともなく、顔も帽子をかぶり、サングラスをかけていた。
そのことも手紙に書いておこう…
「お兄ちゃん、お願いがあるんだ」
「ん?何?」
「私ね…3通の手紙を書いたんだ…」
「ああ」
「もし…もしだよ
15年後、お兄ちゃんが忘れてなかったら、この手紙を勇一に届けて欲しい」
「15年後?なんでそんなに経ってからなんだ?」
「きっと、その時には勇一も幸せになってると思う…その時なら、勇一を苦しめないかなって…」
そうだろうか?
実際、由美の病気がわかってから、何度、勇一に言うか迷っていた。
だが、由美は自分がガンとわかってから、頑なに、嶋野に口止めをし、勇一に知られないようにしていた。
「わかった…。」
嶋野は妹の願いを聞き入れた。
「そうだ…お兄ちゃん。聞きたいことがあったんだけど」
「何?」
「お兄ちゃん、好きな人いなかった?会社に」
「いたよ」
「いいの?何も言わなくて」
「俺の片思いだしさ。もう未練はないよ」
「本当に?」
「ああ…それに、最後まで、お前の病気と戦うよ。いや、戦わせてくれ」
嶋野のその言葉に、嬉しさと兄に対する申し訳なさで泣きだした。
「ごめんね…お兄ちゃん、本当にごめん」
「いいよ」
翌日、2人は大家に挨拶を済ませ、由美は勇一への思いを残し、嶋野は様々な思いを胸に東京を去っていった。
数カ月後、由美は、この世を去った
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