3パーセントの愛(4)
「男って単純なんだよ。」
ワタシから見れば単純=正直で周りが言うほど悪いことでもないと思う。
ただ口にするかしないかの差であって。
みんな考えてることは一緒なんだと思う。
だから特定の彼氏っていう存在はつくらない。
隣にいる男が『その辺にいる男』とおんなじ種族だと気付いたとき、サッサとさよならを言うのが嫌だから。
傷つくのも、傷つけられるのもイヤ。
でも男が嫌いなわけじゃない。
男友達ぐらいいる。
今年26歳になる竜司。
見た目はイイ歳して不良風だけど、中身はマジメで仕事熱心な男。
この男と出会った日は、ワタシにとって忘れられない日になった。
それはワタシがハタチのスタートラインを少し過ぎた成人式の帰りでのこと。
「遥香〜ほんとに送ってかなくて大丈夫?」
心配そうな笑みを浮かべてユミはエンジンを吹かした。
ユミはワタシのことならなんでも知ってる家族兼幼なじみ。
「大丈夫だ〜って!ちょっと歩いて酔い冷まさないと。」
いやね、ホントは大丈夫じゃない。
彼女には愛する男がいるらしいからね。
だから少し気をつかっただけ。
「それじゃまたねっ♪」
振り袖姿で大きなバイクにまたがる華奢な彼女を見た瞬間、なぜか心底いとおしく思えた。
ユミの姿が見えなくなるとワタシは彼女とは逆方向に歩き出した。
ユミと、まだ見たコトないユミの相棒と、3人で語りあかして飲みたいな〜なんて妄想しながら。
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