わたしと妹
「はい、これユミのぶん」
わたしはメロンパンを半分にちぎって妹に差し出した。
「ありがとう、お姉ちゃん」
お姉ちゃん、と言ってもわたしたちは双子の姉妹であり、男子の好みも趣味も学力も、ほとんど同じ高校生なのだ。
わたしたちは今のように、色々なモノを半分こする。
小さい頃から母に、「お姉ちゃんなんだから、ユミに何でも半分こしてあげなきゃダメよ」と散々言われてきた。
それで、どんなものでも妹と半分こするのが習慣になった。
鉛筆が1ダースあったら、6本ずつにするし、
ケーキだって、きれいに2つに切り分けて食べる。
もちろん部屋も、真ん中で仕切って半分ずつ。
こんな生活がずっと今まで続いてきた。
きっとこれからも続くのだろう。
「はい、これユミのぶん」
わたしがそう言って何かを渡すと、ユミはいつも
「ありがとう、お姉ちゃん」
と笑顔でそれを受け取る。
そんな妹が、わたしは大好きだった。
それからある日、わたしに念願の恋人ができた。
彼はとてもカッコよくて、優しい人。
だけどその分、悲しかった。
彼とは「愛」を半分ずつ分け合った。短い間だけ…。
悲しいけれど、わたしは決心した。
仕方がないのだ、わたしたちの決まりなのだ、と心に言い聞かせた。
そして気が付いたら、彼を殺していた。わたしは着ていた服に返り血を浴びていた。
どうやって彼を殺したかは、よく覚えていない。
「はい、これユミのぶん」
わたしは、真っ二つに切断した彼の身体を妹に差し出した。
「ありがとう、お姉ちゃん」
いつものように妹は笑顔でそれを受け取った。
こんな妹が、わたしは大好きだ。
ユミ、これからも、幸せや苦しみ、どんなものでも半分こしていこうね…。
わたしはメロンパンを半分にちぎって妹に差し出した。
「ありがとう、お姉ちゃん」
お姉ちゃん、と言ってもわたしたちは双子の姉妹であり、男子の好みも趣味も学力も、ほとんど同じ高校生なのだ。
わたしたちは今のように、色々なモノを半分こする。
小さい頃から母に、「お姉ちゃんなんだから、ユミに何でも半分こしてあげなきゃダメよ」と散々言われてきた。
それで、どんなものでも妹と半分こするのが習慣になった。
鉛筆が1ダースあったら、6本ずつにするし、
ケーキだって、きれいに2つに切り分けて食べる。
もちろん部屋も、真ん中で仕切って半分ずつ。
こんな生活がずっと今まで続いてきた。
きっとこれからも続くのだろう。
「はい、これユミのぶん」
わたしがそう言って何かを渡すと、ユミはいつも
「ありがとう、お姉ちゃん」
と笑顔でそれを受け取る。
そんな妹が、わたしは大好きだった。
それからある日、わたしに念願の恋人ができた。
彼はとてもカッコよくて、優しい人。
だけどその分、悲しかった。
彼とは「愛」を半分ずつ分け合った。短い間だけ…。
悲しいけれど、わたしは決心した。
仕方がないのだ、わたしたちの決まりなのだ、と心に言い聞かせた。
そして気が付いたら、彼を殺していた。わたしは着ていた服に返り血を浴びていた。
どうやって彼を殺したかは、よく覚えていない。
「はい、これユミのぶん」
わたしは、真っ二つに切断した彼の身体を妹に差し出した。
「ありがとう、お姉ちゃん」
いつものように妹は笑顔でそれを受け取った。
こんな妹が、わたしは大好きだ。
ユミ、これからも、幸せや苦しみ、どんなものでも半分こしていこうね…。
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