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汚染 136

[128]  ふく  2009-05-30投稿
約束をした日
朝着替えの下着や化粧品をバックに詰める時
不思議な気持ちになった
貴方と過ごせる一日を待ち侘びたのに
それに勝る不安や罪悪感
いつも感じているけど
繋がれば繋がる程にきっと増え続ける

『楽しみだね』と言う貴方に『そうだね』と答える事で不安は隠した

時間を気にせずいられる
貴方は嬉しそうに笑い
いつもよりも饒舌に感じる
見つめる目も触れる手も何だかいつもと違う
だから私はいつもよりもお酒の量を増やした
忘れたい
嫌な事も不安も
そして貴方と過ごしているこの真実も

思えば思う程現実を見てしまう
お酒の力を借り様としても無駄な事
脳が受け付けない
貴方が楽しそうだから
またその表情にやられてしまう

最近貴方に言う様になった
先に見える事
『私の事なんてすぐに忘れる』
『私の事なんてすぐ飽きるよ』
いつまでもこうしていられない事を知っているから今のうちにそうして貴方にも未来を告げる
その度に貴方は寂しそうに首を振る
『絶対にそれはない』
そう言ってくれる事を望まなくても
そう言ってくれる事は分かっている
『私がいなくても大丈夫よね』と言った時
貴方の笑顔は消えた
貴方の横顔に悲しい表情を見た
『いなくならないで』と口にした時
何となく貴方の目に涙が浮かんでいる様に見えた
少し悪戯が過ぎただろうか
可哀相にも可愛くも見えて貴方の右手に私の左手を重ねた
その手を強く握って貴方が言った
『この手がしわしわになっても好きだよ』

私達には『絶対』は存在しない
今のこの告白さえもいつかは懐かしい思い出になる
その時貴方は私の隣にはいない
だから私の心に刻む
貴方は多分そんなに先なんて本当は見ていない
今の私が好きなだけ
でもそれ以上口にするのは辞めた

ただ前だけを見つめて笑顔を作った
この瞬間を大切にするんだって
最高の言葉をくれる貴方に最高の時間をあげる事だけを考えて

だから決めた
不安が増えるのは仕方のない事
だったらせめて貴方といる時間に一つだけでも
残された時間に残せる物を一つずつ
僅かでも何か幸せを見つけ出すんだって

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